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16-移住 [岩崎雄太-02]

単身者の引っ越しは簡単だった、男性ばかりという事も有ったのかもしれないが共同生活で家電製品など会社が用意した事にもよる。

「明日は家族での移住者受け入れだからしっかり手伝おうぜ。」
「ああ、三歳と五歳…、うまく俺達の集団、出来立ての集団で受け止めたいな、俺達の子どもでも有ると考えたいと思わないか。」
「だよな、その気持ちが無かったら村作りは出来ないだろう。」
「子育てか、次の見学会には女性が二名参加と聞いたが。」
「女性にとって、ここへの移住はハードルが高いだろうな。」
「だな、せめて俺達が紳士的に振る舞わないと。」
「俺は女性を相手にすると緊張してしてしまうのだが。」
「それで、こんな田舎でも抵抗なくという事か、少しずつ馴染める様協力するよ。」
「佐々木は彼女が居るのだろ?」
「ああ、遠距離になって切れるならそれだけだし、こちらに来るだけの覚悟が出来たら結婚と考えている、彼女の事は好きなのだが、ここでの生活を優先したいと考えているんだ。」
「すごい覚悟だな、俺はこの容姿だから諦めてここに来たが。」
「田中さんの良さに気付く人がきっと来ますよ、俺達村民が皆紳士的であれば、移住者は男女問わず仲間になる訳じゃないですか、互いに心を開いていかないと良い村にはなりませんよ。」
「そうだな、佐々木村長中心に村を、佐藤副社長を中心に会社を、二人ともスキルの高さを感じさせてくれる、そして社長は年下なのに尊敬できる、若殿さまといった所か。」
「ご自身の起こした会社は従業員百名程度ながら右肩上がりの業績アップを続けてこられた、いずれ父上の跡を継ぐだろうと言われているお方だからな。」
「社長自らここへの移住を考えておられる、その為のヘリポートでも有るんだろ。」
「田中さん、社長の家とかはどうなっているのです?」
「今、設計中なんだ木を贅沢に使う形の家をな、俺達の家もそのデザインに合わせた形で個性を出しつつ集落全体で統一感の有る建物になるそうだ。」
「自分はここで充分ですが。」
「だめだよ、ここは後輩を受け入れる為に明け渡して行かないと、新築の独身寮に住むのか夫婦で住む一戸建てにするのか希望を出してくれな、完成までには時間が掛かりそうだが。」
「会社としては一戸建てに住む人を増やしてアピールしたい所だろうが、俺には相手がいないからな。」
「独身寮は男性棟と女性棟が隣り合わせになるそうだ、問題は女性棟への入居者がいるかどうかなのだが。」
「社長は、田舎への移住を考える少数民族の掘り起こしを考えると話しておられました、広報部を立ち上げ田舎暮らしを発信の他、ネット環境が整ったら色々な職種の人を雇えます。」
「そうだよな、農業や林業だけにこだわる必要はないね。」
「移住者が増えたら楽しくなりそうだよな。」
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