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15-新入社員 [岩崎雄太-02]

五人の新入社員は入社前から動き始めた。
そして、それぞれが仕事として動ける状況を見極めてから、本人の判断で入社日を決定。

「佐藤さん如何です?」
「はい、これまでの資料に目を通しましたが見事に支出ばかりですね、この状態がしばらく続くというのは普通の感覚ではやって行けませんよ、火室さん。」
「ですよね、私が社長の起業に参加させて頂いた時は、すぐに利益が出ましたから…、でも大金持ちのお遊びでは有りません、社長はこのプロジェクトに参加して下さった全員、死ぬまで面倒を見られるシステムを構築したいと話しておられます。」
「う~ん、人は石垣人は城と言いますが、それは城主有っての事なのですね、もっと人を増やしたいのですが応募状況はどうですか?」
「二回目の現地見学会は六名全員採用、三回目は今の所四名が参加予定です、後は佐々木さんのお兄様の入社が確定しました、家族で移住となります。」
「そうか、奥さん腹を括ったんだ。」
「奥様自身も田舎生活してみたかったそうです、ただ子どもが小さいから躊躇してみえたのでしょうね。」
「皆で守って行かないといけません、今回採用された方の担当はどうなりますか?」
「林業研修に三名、佐々木さんの部下と言う形で一名、二名はひとまず田中さんの下で建物の補修に、佐々木さんのお兄様は村全体の設計を担当して頂きます。」
「引っ越しは何時頃になりますか?」
「講習の無い方は来月の中頃以降と考えておられます。」
「そうですか…、私もそれぐらいまでに移住したいのですが。」
「大丈夫だと思います、事務系の引継ぎも順調ですし。」
「名前だけの副社長ですからね。」
「あっ、それは違います、佐藤さんは重要なポジションにいると考えて下さい。
御免なさい、現時点でとしか言えませんが、佐藤さんは社長候補なのです、岩崎社長はお父上の企業でも要職に就かれるお方、幾つも兼務というのは良くないと考えておられます。」
「そうですか…、心して仕事に励みます。」
「後、佐々木さんのお兄様が村長候補です、役割の分担は考えて下さい。」
「彼の方が副社長に相応しいとも思いましたが、それなら協力してやって行けると思います。」
「他の方とは如何ですか?」
「連絡を取り合いながら、少しずつ自己紹介をしている段階です、村で暮らし始めないとまだまだ見えて来ないですね、ただ現地見学会の時は皆さん、このプロジェクトを成功させようようと熱く語っておられましたから大丈夫だと思っています。」
「心強いですね、大鹿さんも頼もしい若者ばかりだと話しておられました。」
「ここでの研修中は面接の席にも同席させて下さい、後、三回目以降の現地見学会は我々の手で行いたいと思います。」
「はい、お願いします。」
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