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07-募集 [岩崎雄太-01]

村から都会への帰途。

「ねえ雄太、社員募集の考えはまとまったの?」
「ああ、まずはサイトを立ち上げてそこで概要の説明と募集案内、簡単なもので良いだろう。
そこへの誘導も始めはSNSを利用して様子を見ようと思う。
あまりにも応募が少なかったら次の手を考える。」
「そうね、募集広告とかかなり費用が掛かるそうだから、うちみたいに口コミだけで優秀な人を集められる職種じゃないものね、でも面接はどうするの? 遠方からの応募が有った時、こちらまで来て頂いて不採用では申し訳ないわ。」
「親父の会社に手伝って貰おうと考えている、面接会場を親父の会社の営業所とかにしてテレビ電話で面接、人物の雰囲気とかは後で営業所の人に教えて貰う。
人物調査、採用を前提とした健康診断の手配もお願いするつもりだ、日本全国どこからの応募にも対応出来るだろう。」
「そこまでお父さまの会社にお願いして良いのかしら?」
「ああ、俺が提案した案件が上手く行って業績アップに貢献しているからね、取締役連中も反対出来ないさ。」
「そのまま社長とかになってしまうの…。」
「はは、なにビビってんだよ、親父は元気だから先の事さ、俺より相応しい人が現れたらその人が社長になるだろうし。」
「そ、そうなんだ…。」
「で、採用した人は大鹿さんにお願いするという事か?」
「ああ、ただ研修には俺も積極的に関わって行きたいと思ってる、そうだな俺も大鹿さんの生徒になってみるかな。」
「まあ、会社の方に問題はないが、田舎暮らしなんて出来るのか?」
「さあな、すぐ逃げ出すかも、でも何事も経験だ、年取ってからじゃ出来んぞ。」
「社長が積極的に関わって下さったら、大鹿さんも安心されると思います。」
「でしょ、愛華が正解だ、新しく社会集団を作る訳だからね、それより祐樹の方はどうなんだ、良い案は出て来たか?」
「応募が無かったらおしまい企画としては、集落復活に参加して第二の故郷を持ちませんかってのを練ってる。
普段は都会で暮らしている人に、年に一度でも良いから村の作業に参加して貰う。
植樹をして貰っても良いかな、果実なら収穫の喜びが味わえるかも、管理する社員有っての事だが。
上手く行けばリピーターが増やせる、宿泊施設の拡充に時間が掛かるだろうから少しずつだな。」
「そうね、廃村復活の作業に係われば村に対する愛着が涌くかも。」
「ただ、観光資源が弱いと思うんだ、眺望は良いがそれだけだろ。」
「それなら作れば良いんじゃないか。」
「簡単に出来るか?」
「案を募集してみるのはどうだ、だめもとで。」
「そうだな、社員の形が出来て来たら…、否、社員から案が出たら良いな。」
「社員募集の要項にも入れておくか。」
「ふふ、何か起業した学生の頃に戻ったみたいね。」
「単なる遊びじゃないから真剣に楽しいのかな。」
「結果も出そうぜ。」
「ああ。」
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