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04-計画 [岩崎雄太-01]

夜、ゆっくり酒を飲みながら。

「そっか、別荘と宿舎は決定なのね、綺麗な村になるといいなぁ~。」
「明香は随分乗り気なんだな。」
「うん、うちは普通のサラリーマン家庭、でも雄太は違う、付き合い始めた頃は戸惑う事ばかりだったわ、お嬢様でもない私で良いのかって思ってた、でも雄太はただのお金持ちとは違う、自分で事業を成功させ、いずれはお父様の会社をも継ぐ事になるだろうけど、社員の事をきちんと考えている。
そうね社員をただの金儲けの為の存在とは考えていない、だからここまでの成功が有ったと思うの。
父さんの会社では、いかに人件費を抑え利益を上げるかばかり考えてた結果、優秀な人材が離れてしまったそうなのよ。
この活動では我が社の社員とは違った価値観をお持ちの方が関わって下さるでしょう、その人達を大切にしたら、きっと私達にとってもプラスになると思うわ。」
「雄太が明香を気に入ったのは、ちゃらちゃらしたお嬢様が好きじゃなかったからだよ、雄太の従妹達は、ブランド品や装飾品を自慢する様なお方ばかりなんだ。」
「それで、どう進めて行くの?」
「まずは村人募集だね、我が社の社会貢献プログラム、過疎地の再建という事でテレビ番組を制作しても良い、既存の番組の一企画として廃村復活プロジェクトとして始めるのも有りかな。
まあ、具体的にはもう少し考えてみるよ。」
「応募者の人数が読めないわね、田舎暮らしをしたいという人もいるとは思うけど。」
「一期は慎重に行きたい、無理に人数を増やさずに人物を見極めながらだな、将来的には村の核になってくれそうな人を中心に、プロジェクトの核になって動いてくれる村長が優先かな。
その後は年齢層を二十代から四十代と考えバランス良く、男女比も同じぐらい、家族での応募も有り、とか考えてみたが時間が掛かるだろう、学校まで遠いという事ははっきり伝えるべきだな。」
「一期は独身男性に限るの?」
「男性には限らないで良いだろう、応募があれば。」
「住居の完成時期を見て募集のタイミングを決めないといけないのね。」
「そこなんだ、前の仕事を辞めて参加という可能性も有るだろ。」
「祐樹、研修ってどうだ?」
「何の研修?」
「隣村には住めそうな空き家も有る、人生の先輩もな。
その辺りと交渉して田舎暮らしの体験を始めて貰うってどうだ、もちろん給料払って生活費はこちら持ちだ。」
「良いんじゃない、そのまま隣村の住人になって下さっても構わないでしょ。」
「そうだな、作業員の宿舎も隣村で確保出来れば話が早い。」
「社長、今日お茶を頂いた、お梅婆ちゃんも賑やかになれば喜んで下さるかもです。」
「そう考えると俺達が復活を試みる村の面積は随分な広さになりそうだな。」
「面積は広くても山が多くて集落も点在ですね。」
「明日はどうする?」
「役場とかJAとかでこの辺りの現状を教えて貰いませんか。」
「そうだな、明日の朝一で連絡を取ってみるよ。」
「では私は今からネットで予備調査をしておきます。」
「ああ、頼むな、愛華。」
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