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101-婚約 [キング-11]

城の子達に尊と望の話した後、彼等には若干の動揺が見られた。
弟や妹達も大好きな二人だったからだ。
恋心やぶれた連中とは別に、翔と愛の様に付き合い始めた者もいる。
二人以外は年齢的に正式なものではないがきちんと親に報告した。
性教育もして来たが、それは彼等にとって実感の涌かないもので有っただろう。
それが、少なくとも十七歳の四人にとっては急に身近なものとなった。
彼等はこの件をきっかけに四人で居る時間が長くなった、小さかった頃程ではないが。

「恋愛や結婚に関する布告は第一回のゲーム後で良いかな。」
「布告は父さん達随分時間を掛けて練り上げたそうよ、昔はお手本が有ったから必要なかったって、でも私達は…。」
「その後婚約発表ね、女の子達泣くだろうな~。」
「まさか。」
「あっ、翔は女心分かって無いんだから、翔が他の女の子と結婚したら私は絶望のどん底よ。」
「愛はそうなのか…、尊とは結婚について随分前から話し合ってたけど、この四人は父さん達みたいに仲良く二組の夫婦になるんだよなって、それ以外考えた事もなかった。」
「聞いてなかったわ。」
「だって結婚なんて随分先だと思ってたし、照れくさいだろ色々…。」
「赤ちゃんを産むのは、まだ実感が涌かないわね…。」
「母さんは結婚披露宴を一つのイベントにして、お祭りの様にするって言ってたけど。」
「でも父さん達の時、結婚式は八人だけだったんだろ、僕らも四人だけの結婚式をどこかでこっそりやらないか?」
「賛成、昔は新婚旅行というのをやってたそうだからそれを真似しましょうよ、場所は小さな島、実験的に花ばかり植えてみた島が有るの、気候が合っていたみたいで綺麗になったわ。」
「日程はどうする?」
「母さんからは、今まで城の子の長男長女として頑張って来たのだから、一度ゆっくり休みを取っても良いって言われた。」
「うちも、誠達に任せる事も必要だって。」
「確かにそうかもな、僕らがずっとメインで動かして来たけど、それでは弟や妹が今一つ成長出来ないのかもしれない。」
「第二回のゲーム後ぐらいなら何とかなりそうね。」
「その方向で父さん達とも相談しようか。」
「ええ。」

「でもさ、マリアさまと話して少し安心したよな。」
「ああ、僕らの子どもは僕らと同じ様な能力を持つ、もちろん個性は有るがって事だろ。」
「三つの種族とは考えてなかったわね、国民と城の子、城の大人、父さんや母さんは八人だけの種族私達を生み出す為の存在。」
「おかげで僕らは国民以上の可能性を貰えた。」
「両親に感謝しないとね、婚約発表の時に感謝の言葉をしっかり入れようよ、これから続く人達が真似してくれる様に。」
「そうだな。」
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