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92-惑星 [キング-10]

翔が十五歳になった頃、マリアの指導を受けている城の子は二十人に増えていた。
子ども達は相変わらず仲が良く、学習している時も楽しそうだ。
そんな子ども達を眺めている時、マリアから話があった。

「皆、揃ってるな、今日マリアから話があった、半年後ぐらいにある惑星に到着するそうだ。」
「おおそうか、ここは宇宙船の中だったのか。」
「どんな惑星なの?」
「地球と近い環境に出来ると聞いた。」
「という事は、今は随分違うという事か?」
「ああ、その改造の為に子ども達は装置を作る必要が有る、尊、そうだったな。」
「はい、大気を安定させ水を循環させます、バランスを整えないと巨大台風とか発生させてしまう事になりますから慎重に進めます、ただこの装置を作るに当たってその材料が、居住コロニー二つ分ぐらい必要になります。」
「居住コロニーを潰すのか?」
「はい、国民の皆さんにお願いして…、他にも必要な物が有りますから五つぐらいは欲しいのですが。」
「それぐらいなら何とかなるだろう。」
「その惑星に生物は?」
「今は微生物の類のみと聞きました。」
「星一つ住める状態にするまでどれぐらいの期間が必要なんだ?」
「僕らもこれから学ぶ事が多いのでまだ分かりません。」
「私達は何をすれば良いの?」
「まずは空の居住コロニーをお願いします、高速船に改造してから、惑星改造装置を積んで先に行きます、マリアさまの話ではこのコロニー集団は宇宙船としてはかなり遅い代物だそうで。」
「私達もその高速船に乗せて貰えるのか?」
「はい、船にゲートを付けますから。」
「外の景色も見れるの?」
「惑星の衛星軌道に乗ってからなら見れます。」
「この事は世界の人達に知らせた方が良いのかな。」
「隠す必要はないでしょう、居住コロニーのお願いもしなくてはいけないし。」
「今のままが良いという人もいるだろうが、いずれ限界を迎えるという事は分かっているだろう。」
「では明日にでも発表するか。」

ようやく先が見えた、人口の増加を気にする必要がなくなるのだ。
未開の大地、大変な事も多いだろうが子ども達の手でどんな街が作られて行くのか楽しみである。
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