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88-予測 [キング-09]

一つ目のコロニーは成功したが修正の余地も見えた。
城の子達は次への準備を進めている。

「愛、一つ目の記録映像を編集したのは見てくれた?」
「ええ、次のコロニーから、あれを見て頂けば理解が早くなると思うわ、でも、翔、映像を利用しての共通語教育プログラム、基礎は何とかなると思うけど相手の言語を充分理解出来ていないと、その先は難しくないかしら?」
「そこを埋めるのがドラマ作品だよ、早めに覚えて欲しい言い回しを強調する形でドラマ番組を作成する、すでに台本はサンフランシスコの作家集団に依頼して有るよ。」
「翔、ブラックコロニーは、もう大丈夫なの?」
「彼等も、この世界での役割を持つ事が大切なのさ、僕の要望に真面目に取り組んでくれてる、トリッキーで面白い話を作るのは得意みたいだからね。」
「でも、その完成を待ってられないね、次のコロニー受け入れが成功したら、ペースを上げたいと思う、それで受け入れた単独コロニーを和の国新島に集めようと思うんだ、慣れるまでは国際ゲートに制限を掛けて置けば安心、モハメドも賛成してくれた。」
「尊、今の住人はどうするの?」
「今のままでも構わないけど、本島にゲートを付け替えても良い、新島はゲートだらけになるだろうからね。」
「新島を希望の島にするのね、新しい仲間があちこちに散らばるより良いと思うわ、人数の少ないコロニーからどんどん繋がって行きましょうよ。」
「僕は構わないが皆の負担は大きくなるよ、言葉の行き違いによるトラブルも予想されるだろ。」
「私達の本部を希望の島に置いて、何か有ったらすぐ対応出来る様にすれば良いんじゃない?」
「静子さんは、どう思う?」
「夜を城で過ごして下さるのなら、親衛隊に問題は有りません、皆さんをお守りするのが私達の使命です。」
「そんなに気を張ってると疲れるでしょ、もっと気楽で良いと思うな。」
「巴、静子さんには特攻隊長の職務もお願いしてるのだから、気楽にとは行かないんだよ。」
「でも静子さんの次の出番は来年の私の誕生日に私を肩ぐるまして馬に成りきる事、それまでは兄さまの横に立っているだけじゃない。」
「はは、巴がそう言うのなら問題なさそうだな。」
「しかし肩車して馬に成りきるって、どういう状況なんだ?」
「巴の誕生日が待ち遠しくなったという事でしょ。」
「あ、あの~、どういう事なのか…。」
「静子さんは少なくとも巴の誕生日まで活躍する場がないって事だよ。」
「何が起こるか分かりませんよ。」
「巴は状況分析プラス直観力で先を予測出来る、僕らの中では一番精度が高いんだ。」
「ずいぶん先の事まで分かるのですか?」
「それはマリアさま次第、まだ教えていただけない情報が有るからね。」
「巴の誕生日まで半年ぐらいか、それまでには最低でもすべてのコロニーと繋がる所までは済ませたいね。」
「もっと急ぎたいけど管理し切れなくなってのトラブルは避けたいからな。」
「環境が悪いコロニーほど楽に進むと思わない?」
「うん、環境が格段に良くなる訳だもんな。」
「一番ましなコロニーでも私は住みたくないレベル、油断しちゃだめだけど怖がらずにがんばらなきゃね。」

望の発言に他の子ども達も頷いている。
私としては巴の予測が当たっていて欲しいと願うのみだ。
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