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42-スコットランド [キング-05]

スコットランドの連中とはうまくやっている。
考え方の違いは少なかったし、相手を尊重する気持ちも互いに有った。
特権階級同士の会談は昼間に開いている、夜間も行き来できる我々の特権を国民に意識させない為だ。
会談では、次に交流を始める国を想定しつつ二国間の約束事を相談しまとめる作業が随分進んでいる。
国民同士の交流も順調、英語を理解できない者は翻訳機を利用するが、その利用者は極めて少なかった。
サッカーの試合は国対抗とせず混成チームで行われている、国を越えての仲間意識を高めるためだ。
そんな中で特に情報交換がなされたのは共通のテーマ、そうこの世界に対する疑問だ。

「スコットランドの連中も我々同様、単一の民族で構成されている様だな。」
「管理者の意思なのかな。」
「今後出会う国の人達もそうなのかしら。」
「過去の暮らしによる違いは有るけど、この世界へ来てから今に至る過程は極めて似通っているよな。」
「スコットランドが海の向こうに存在するのか、全く違う空間に存在するのか知りたいが。」
「調べる方法は?」
「星かな、ただ管理者が尤もらしく投影してるだけなら事実は掴めない、何か嘘くさいんだよな、日本で見ていた星空と違い過ぎるからかもしれないけど。」
「ふふ、星座占いは破綻したのね。」
「はは、土に関しては住んでいた所の物を再現してくれている、明らかに二つの島の土壌は違っているよ。」
「気候は適度な気温適度な降水量で問題ないけど、四季を感じられないのは少し寂しいわね。」
「ウインタースポーツはもう出来そうにないが、代わりに乗馬が楽しいね、どうだい麗子、多少は慣れたか?」
「少しはね、でも三丁目の連中は全員楽々と乗りこなしている、さすがよね。」
「彼等は英語が得意そうじゃなかったのに、サッカーや乗馬を通してスコットランドの連中と仲良くなってるよな。」
「仲良くしててくれて嬉しいよ、大きな声では言えないが、彼等のキングに対する忠誠心みたいな感じから…、彼等の役割は軍人ではないかと。」
「ああ、それは感じていた、彼等を軍人にしない事が我々の役目だな、何時迄も罰が有効なら要らぬ心配だが。」
「二つの国を比べてみると管理者の方針が分かる気がするな。」
「どんな部分で?」
「こちらの二丁目に相当する向こうのコミュニティで生き残ってる大人は二人だけ、三丁目に相当する連中はやはり運動能力が高い、音楽村に対して演劇集団、他は職人という構成だろ。」
「成程、この先、国交を持つ国も同じ様な形なのかな。」
「可能性は高いが、となると問題は二丁目か。」
「一つはっきりして来たのは仕事が嫌いで能力が低いという事だよな。」
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