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20-役割 [キング-02]

隣人たちが帰った後、食事の席でロックが話し始めた。

「なあ、俺達の役割ってさ。」
「役割?」
「ああ、俺達が管理者の手のひらの上で跳ね回っているだけのちっぽけな存在だって事は勿論分かってる。
でも二丁目三丁目の連中と出会って、どうして俺達がキングの元に集められたのか分かった気がするんだ。
もちろん俺の記憶は怪しいから自分の能力を過大評価したくはないとは思う、だが俺達はキングを中心に国を形作って行く核となる役目を担っている気がするんだ。
今日三丁目の奴にセブンが話しているのを見て思った、これからもっとどうしようもない連中と対峙する事になるかもしれないと、でも俺達なら良い国が作れそうな気がするし、それが役目であって管理者の望む所ではないかと、そして俺はそれを受け入れたいと思っている、キングはどうだ?」
「ああ、ロック有難う、私も自分達の役割について考えて来た、管理者の思惑からそれる事も選択肢の中には有るとは思う、だがその結果は私達にとって良い事とは思えない。
私達は戸惑いながらも、ここに生活の基盤を築き上げ平和に暮らせる環境を、管理者次第とは言え手に入れている、これを積極的に放棄する理由は思い浮かばないが積極的に発展させる理由は有る。
私達の子どもだ、麗子も身ごもった。」
「お、おお~。」
「おめでとう。」
「願わくば…、セブンと一花の子も私達の子も等しく、この八人の子として祝福される事を望むのだが。」
「はは、俺達は運命共同体だからな、子ども達を全員で守るのは当たり前だろ。」
「となると、ゲートからの隣人が当面の問題ね。」
「でも、マリアさまがゲートの制約を認めてくれたのは大きいよな。」
「確かにそうだ、明日はどうする?」
「私達の想いを話して行くしかないんじゃない。」
「キング、何か案は有る?」
「いや、三丁目はロックとセブンで何とかして貰えないだろうか、私は武蔵にロックと八重とは違う所で働いて貰う為の準備をしようかと思う。」
「それはストレスが減って助かるよ、悪い人じゃあないのだろうけど、ちょっとね。」
「三丁目の住人に働く気が有りそうなら、ロック達の下で働いて貰えば良いと思うがどうだ。」
「了解した、作業しながら教育を試みる、で、武蔵の方は?」
「ひとまず和代と森の管理を任せてみようと思っている。」
「そうか、森もそろそろ手入れが必要になって来たんだね、うん、和代となら合うかもな。」
「そこでカップルが成立すると残った二人も自然にくっつくのかな?」
「三丁目の住人とカップルになる可能性はどうだろう?」
「う~ん、そもそもタイプが違うし制約も有るから、管理者は考えてない気がするわ。」
「だな、残る二人も相性は悪くないと思うし。」
「我々の子ども達に良い友人が出来ると良いのだけどな。」
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