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18-新たな隣人 [キング-02]

隣人達は少しづつここでの仕事に慣れて来た。
それに伴って、表情も少しづつ明るくなって来ている。
帰宅する時は若干寂しそうではあったが。
私達が城に住んでいて仕事の指示を出してる事から、彼等とは微妙な階級の違いが出来ている。
それを、素直に受け入れる者ばかりではなかったが、元々島は我々の領土。
島の居心地の良さや管理者からの罰を考えてか、特にトラブルは起こっていない。
人数が増えた事によって生産量は一段と上がっているが、相変わらず余剰分はマリアがどこかへ移動している。

隣人達の中に二組目のカップルが成立した頃、マリアから第二のゲートを開く話が出た。

「また八人増えるという事かな。」
「食料に問題はないわね。」
「一つ目と同じ様に増えるだけなのかな?」
「その前にさ、それぞれのコロニーに名前がないと不便だと思うけど。」
「そうだな、ゲートがこの先、どれだけ増えるのか分からないけど。」
「難しいね、何も思い浮かばないよ。」
「ここを一丁目、隣を二丁目ってどう?」
「まあ、暫定的には良いかもな、明日相談してみよう。」
「良い人達だと良いよね。」
「ああ、仲間が増えるのは心強いよな。」

だが三丁目となる隣人達は我々の期待をみごとに裏切ってくれた。
初日こそ大人しくしていたが、二日目は仕事を手伝う所か無意味な破壊活動を平気でしてくれた。
唯一まともそうな男性に聞いた所では、怪我人が出るような喧嘩をしたり、自給自足を真面目に考えなかった結果、罰が大きくのしかかったそうで、住環境も食生活もかなり悪くなっているという。
好き放題して行ったが、さらなる罰を恐れてか夕方六時までには大人しく自分達のねぐらへ帰っていった。

「とんでもないお子様集団でしたね。」
「記憶だけでなく、精神に変調をきたしているのかもな。」
「キング、どうします?」
「マリアと相談はしてみるが、極力受け入れて行きたいと思っている。」
「策は有りますか?」
「マリアには一日二名という人数制限をお願いしてみようと思うが。」
「それを認めて貰えれば何とかなるかもしれませんね、こっちには十六人居る訳ですから。」
「でも三丁目でこれだと、四丁目五丁目となったら…。」
「今まで順調だったから、これから試練が待ち受けているという事かしら。」
「それでも俺達は力を合わせてだね、キング。」
「ああ、こんな事も乗り越えられないと子どもが増えた時に対応出来ない気がするんだ。」
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