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07-第三段階 [キング-01]

自給自足生活は失敗しそうになる事も有ったがマリアの手助けのお陰で少しづつ慣れる事が出来た。
漁と言っても一人で食べる分が獲れれば良い。
鶏が新鮮な卵を私に提供しつつ数を増やし、チキンとなって私の食欲を満たす様になった頃。

「キング、今日から第三段階に移行する。」
「お遊び程度の自給自足だが構わないのか?」
「問題ない、今日は別の試験体がここに来る。」
「おお、仲間と言う事か。」
「多分初めて出会う個体だろうから仲間かどうかは不明だ。」
「えっと、人間か?」
「そうだ、今日から日替わりでここに来る。」
「日替わり?」
「七つの個体だ。」
「その連中とは、どんな相談をしても良いのか?」
「問題ない、但し禁止事項は有る。」
「何だ?」
「殺すな。」
「はは、了解したよ、貴重な同胞だ、嫌な奴だったとしてもすぐに殺意を抱く事はないだろう。」
「そうなのか、本当なら良いが。」
「あっ、相手に言葉は通じるのか?」
「同じ言語を使用する者だ。」
「それを聞いて安心した、今からロシア語とか覚えろと言われても大変だからな。」
「しばらくしたら相手はここに現れる、しばし待て。」
「分かった。」

他の試験体、私と境遇を同じくする者という事なのか。
今まで一人で暮らして来たが、声だけでもマリアがいたからか特に寂しさは感じなかった。
だが、今、唐突に仲間が欲しいと感じている。
そんな自分の心境の変化を不思議に感じている自分がいた。
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