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原石-05 [飯山美里-05]

放送局はよくやってくれています、少しの反則技も有りましたが、うちの新人リポーターと題して動画サイトにも一連の映像を上げてくれました。
それがじわじわと放送エリア外でも知られる様になってきました。

「田川さん、今の感じなら東京へ出てアイドルとしてやってけるんじゃないですか?」
「そうね、多分あなたが期待する以上の成果を上げるでしょうね。
でも、それは当初の目標からそれてしまうし多分美里も望んでないと思う、周りが無理に押し付けても、彼女を悩ませ苦しめる事にしかならないでしょうね。」
「残念な気もします、あれだけ華の有る子はアイドルを名乗ってる子達の中にもそんなにいませんから。」
「だからここで輝かせるのよ普通とは違った道筋で、あの子がやりたいと思ってる事をしながらね、そう過疎の問題としっかり向き合って社会貢献しながら…、お金の為だけにあの子を消耗させたりしたら私は即クビなんじゃないかしら、うちのお偉いさん方も美里ちゃん大好きだから。」
「それで仕事は原則この地でという事ですか。」
「田舎暮らしでも、こういった仕事が出来るかどうかの実験でもある訳だけど。」
「なるほど、その実験的ドラマの撮影はどうなってるんです?」
「ふふ、実はもう随分撮り終えてるの、自然な演技じゃなく、普段のそのままをさりげなく撮影してるでしょ、彼女の日常が一つのテーマだから、ポイントになる演技力が試される部分は残ってるけど、セリフを少なくしてナレーション中心で行くから撮影自体は無理なく終わると思うわ。
ナレーターも、出来れば本人にやって欲しいけど、完成度が低かったらプロに任せれば良い訳だからね。
無駄な芸人とかを登場させない分撮影クルーに予算を回してるそうだから、良い絵が撮れてるんじゃないかしら。
美里ちゃんの様子を見て、大丈夫そうだったら、ナレーターの練習を始める相談もするけど。」
「彼女なら大丈夫だと思いますよ何でもこなせるタイプの子だから、完成は何時頃ですか?」
「夏休み中に撮影を終わらせて、九月の終わり頃放送の予定。」
「そうすると生出演最終回で宣伝という形ですか。」
「どうかしらね、テレビ局側からは九月以降も何らかの形で番組に係わって欲しいと打診が来てるの、みんなで相談してとなるけど。」
「スーパーローカルアイドルの道を着実に歩き始めてる訳ですね。」
「ふふ、まあね。」

上からは、美里を派手でなくとも、長く過疎の問題をアピールし続けてくれる存在にして欲しいと言われてマネージャーになりましたが、世間の方が地味な活動では許してくれなくなって来てる様です。
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