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夏に向けて-05 [飯山美里-04]

娘が承諾してからすぐに色々な事が動き始めました、いえ、その前から随分動いていたというのが本当の所かと思います、テレビ出演がすぐ決定しましたから。
私どもの間では、過疎化を食い止めるには、都会暮らしの人が積極的にこの問題に係わって行かないと難しいという結論に至っておりまして、その結論を真摯に受け止め動いて下さる方々が、形はボランテアだったり仕事の延長だったり様々ですが、大勢いらっしゃるのです。
娘も私の仕事がそんな方々に支えられてのものだという事を理解していて真面目に協力してくれています。

「父さん、テレビでレポートする時のサンプルなんだけど。」
「サンプル?」
「えっと、台本っていうのかな、ビデオ撮影して先生に見ていただくけど、ここの事知らない人が書いたみたいなの。」
「まあ、有り得る事だな。」
「でもさ、それで練習というのは気持ちが入りにくくて…、自分で書き直したのではだめかな。」
「全然問題ないさ、いや、むしろ美里の言葉の方が良いかもしれない、サンプルと違うとか言って来る人がいたら父さんが説明するよ。」
「うん、じゃあ後でビデオ、撮って、ほんとは自分で撮りたいけどまだ…。」
「何、遠慮してんだ、そこまで自分でやって恰好良いとこ見せようなんて事は考えなくて良いんだよ。
これから美里は色々な人と接して行く事になるが、その人達にはそれぞれの役割が有るんだ、中には美里の世話をして下さる方もな、でも美里は遠慮する必要はない、それぞれが自分の仕事として美里に接してくれる、それに対して恰好の悪い思いあがった様な対応さえしなければ大丈夫なのさ。
美里は美里の仕事をきちんとすれば良いんだよ。
まっ、父さんの今の役割は、可愛い自慢の娘の練習風景をビデオに納めるって事だな。」
「ふふ、分かったわ、もう一度練習してから着替えて来るわね。」

娘は、まず人前に立つ時の基礎だけでもという形で練習を始めています、夏休みまで日が有りませんから。
教材は大人向けの普通の物プラス本当に基礎の基礎からの説明が分かり易くまとめてある、おそらく娘のために特別に作った様な物が届きました。
紙と映像を上手く組み合わせて有ります。
教材を参考にして練習したらビデオで撮影して送る、後は必要に応じてメールでの指導、音声による指導、画像による指導、必要が有ればテレビ電話で指導を受けるという形、質問が有ればメールで教えを請う事も可能です。
通信教育のレベルが上がれば、田舎暮らしのハンディを少なく出来るかもしれません。
色々な可能性を考えながらの実験的取り組みです。
娘が良いサンプルとなってくれると良いのですが。
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