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転居-10 [飯山美里-01]

うん、この部屋、悪くない。
カーテン締めれば、田舎も都会も関係ないし、部屋が広くなってちょっと贅沢な気分ね。
今日は何か慌ただしい一日だったな…、引っ越したんだ、私達。
父さんは隼人おじさん達と、まだお酒を飲みながら話してるのか…。
これからお客さんが泊まってく事、多くなるのかな。
ここは私達の為だけの家じゃないみたいだけど…、何か良く分からないのよね。
謎だらけ…、もっと勉強しなさいって事なのかな?
お風呂はガスじゃなくて灯油…、横山さんちはガスらしいけど都市ガスじゃないって、隼人おじさんが説明してくれたけど、よく分かんなかった。
うちには蒔を燃料とするお風呂も実験的に作るとか言ってたけど、不便な事を試してみるのかな…。
あっ、詩織か…。

「ねえ、お姉ちゃん、朝、鶏の声で起こされるのって、嫌?」
「鶏が候補になったのね、う~ん微妙、目覚ましが鳴っても起きない詩織には問題ないだろうけど。」
「新鮮な卵が食べられる事と草むしりの手間が少し減るかも、ということが良い事、悪い事は鳴き声と糞のにおいかな。」
「ヤギはどうなったの?」
「ちょっと大変みたい、種類によるのかもしれないけど、それより番犬を飼った方が良いかもって、猪を追っ払ってくれる様な。」
「という事は、猪がいる訳か…。」
「熊、鹿、猿とかと出会うかもって。」
「え~、私達とんでもない所へ越してきたって事なの!」
「何かワクワクするね。」
「違~う、ドキドキでしょ、襲われたらどうするのよ。」
「明日、ご近所の人に色々教えて貰うんだって。」
「明日か、ご近所のお宅へ挨拶しに行くって父さん言ってたわね、その時なのかな。
でもさ、隣のお宅まで歩いて十分…、近所じゃないよね。」
「ご近所付き合いは大切って、母さん言ってたよ。」
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