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事業展開-14 [安藤優-10]

十月、海外一号店の開店には多くの人が詰めかけた。
優はオープニングセレモニーの後、来賓の相手をしていたが、それを店員と交代して。

「島津さん、売れてますね。」
「ええ、予想以上です、このフロアーは高級志向で、ここで買い物をする事がステータスシンボルになる事を目指していますが、この感じならこの国の富裕層に支持して頂けそうです。」
「テレビでファッションショーの様子を放送した効果も有るのでしょうか?」
「有りましたね、でも、そちらのメインは一つ下のフロアで扱っています、行ってみましょう。」

二人が階段を降り切る前にパニックになりかけた、優を見つけた女性達が騒ぎ始めたのだ。

「す、すいません、すぐ警備員を呼びます。」

島津が話し終える前に、優は客達に向かって話始めていた。
しばらく、にこやかに現地の言葉で語りかける。
階段のおかげで後ろの人にも見えた事が幸いし、落ち着いて優の話を聞く客達。
優が質問したり、優に質問が有ったりと、笑い声も上がる。
時計を見るふりをした優が締めの言葉を掛け、階段を上り始めると客達は商品の品定めに戻る、優に近づこうとする者もいたが警備員が遮った。

「すいません、油断してました、今後警護を見直します、プリンスがファッションショーの主役だったという事を忘れていました。」
「でも、まあ直接お客様とお話が出来て良かったと思います、どうやらショーは当初の目的を果たせた様です、このフロアーの商品は若い人達に受け入れて貰えました。
デザインに注意しつつ良質の商品を提案して行けば、ここへの初期投資は、短期間で回収できそうです、この勢いで店舗の世界展開が成功すれば良いですね。」
「複数店舗になれば一つの企画をより効果的に、効率的に運営出来ると思います、You&優が世界的総合ブランドとなる日も遠くないと信じています、そのプリンスには気安く近付けない体制を作りますから。」
「自分がプリンスだと、島津さんは?」
「え~っと、爺やといった所でしょうか。」
「はは、随分お若い爺やですね。」
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