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室長-19 [安藤優-04]

取締役会の後、優は緊急会議を招集した。

「新会社設立ですか、室長さえよろしければ私は賛成です、今までも取締役会の承認だけのためにワンテンポ遅れた事が有りましたから。」
「室長は、社長として縛られる事を危惧しておられるのですか?」
「う~ん、実は何かピンと来てないのですよ、皆さんの意見を聞かせて貰ってから父と話したいと思いまして。」
「取締役会で社長からのお言葉は?」
「仕事の場では親子じゃないですからね、父とは家に帰って親子に戻ってからです、色々聞けるのは。」
「何も迷う事は有りません、我々が今まで通り全力でサポートします、中学生社長を売りに出来ますよ。」
「ただ…。」
「ただ?」
「やってみたい事が多すぎて、暴走してしまいそうで。」
「そ、そう来ましたか…。」
「良いんじゃないですか、失敗したら取締役が尻拭いしてくれますよ。」
「そうよね、室長、社長は今でも大胆な指示を出されていますが、室長ならもっと大胆な事をやれますよ。」
「どうしてうちのメンバーは皆、お気楽なのかな。」
「そりゃあ室長のご活躍を自分の目で見て来たからですよ。」
「自信を持って社長になって下さい。」
「室長は今まで大きなミスもなく職務をこなしてこられました、でもミスも経験して頂きたいです、それをカバーしていけたら、お父上の様な大社長になれると思います。」
「有難う御座います、ではその方向で父と相談してみます。
え~とまずは、特務室の広報だったり基礎的な部分を残して、技術開発と新規事業で新会社を設立する方向で、まずは現在進行中の作業を元に組織の概要を組み立てて頂けますか。」
「分かりました。」
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