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室長-12 [安藤優-04]

会議を受けて社長特務室の体制強化が進んだ。
新たに加わったメンバーや各社の商品開発関係部署等に置かれた特務室担当が仕事に慣れて来た頃には、すでに幾つもの成果を上げ始めていた、特務室広報部門は金銭的な実績が出る訳ではないが新企画が好評、広報部との役割分担も明確になり効率も良くなった。

そんなある日。
「室長どうかされましたか?」
「矢崎さん、うちの製品で輸出されてないものが結構有りますね、逆に海外の工場で作っているのに輸入されてないものも。」
「そうですね、お互い習慣が違ったり…、輸入されてないの物は桜根傘下に入って日が浅いという事情が有るのかもしれません。」
「でも、もしかしたら売れるかもしれない、試しに…、第一弾は普通に日本で売ってる商品を海外の拠点で試験販売してみましょう、その状況を見ながら第二弾は輸出仕様の商品を検討してみましょうか。
海外で製造している商品は生物以外、一度全部送って貰って試験販売してみましょう。
桜根の宣伝にもなりますからね。
ちょっと大きいプロジェクトになりますから、社長とも相談してプロジェクトチームを、輸出と輸入でまず二チーム立ち上げます、一週間以内にゴーサインを出せると思いますので下準備をお願い出来ますか。」
「分かりました、プロジェクトリーダーの人選まで始めて構いませんか?」
「社長にだけ確認を取りますから、取れたらすぐ進めて下さい。」
「はい。」

特務室からの指示に全社が敏感に反応したのは、それまでの実績のなせる業であろう。
海外では売れそうに無い物まで、違った使い道を考えて試験輸出リストに加えた工場も有る。
海外からは、日本ではなじみのない物も輸入リストに並んだ。
プロジェクトチームは室長の指示通り、余計な事を考えず、ただ売れ残った時の事だけを考えて準備を進めた。
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