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室長-01 [安藤優-03]

社長特務室は、優を含め五名でスタートした。
大人たちは、彼に部下を付ける事でリーダーとしての資質を高めたいと考えたのだ。
小学生の部下になる事に抵抗を感じてメンバーの人選に困るかと思いきや希望者は多かった。
部下となった一人が天才の成長を間近で見たかったと語る様に注目を集めていたからであろう。
室長になっても学校には行く、ただ小学校は、ほぼ体育だけになっていて、中学へは技術家庭科、後は高校が主となっていたが、自習中心でテストを受けて先に進むという形は続いている。
この頃にはほとんど自分の判断で、父の出張を考慮しながら、学校のスケジュールを組む様になっていた、ただ小学校と中学校の友との時間は短いながらも貴重なものだったそうで極力出席する様にしていた。
室長になってからは秘書が学校の送り迎え等もするようになる、秘書がこの通学の時間に仕事の指示を受け取ったり、報告したりする為だ。
「室長、柏木社長から、お礼の連絡が有りました、室長が今まで先方へ送ってきた、現地の商品に付加価値を付けるアイデアは幾つも成功して売り上げを伸ばしているとの事です。」
「良かったですね、また遊びに行きたいです、と伝えて下さい。」
「分かりました。」
「今度、父と伺う工場の概要は調べて頂けましたか。」
「はい、日本語ノートパソコンに入れて有ります、それと来月のアメリカ視察関連情報は英語ノートパソコンに入ってます、不足等有りましたらおっしゃって頂けますか。」
「有難うございます、矢崎さんの情報は分かり易くて助かっています、で、矢崎さんにちょっとお願いが有るのですが。」
「何でしょう。」
「池端さんなのですが、報告が、そうですね、指示通りにやったら上手く行きましたという報告が詳し過ぎて無駄なんです、自分は上手く行くと思って指示を出させて頂いてますので、上手く行った時の報告は一行にして下さる様伝えて頂けませんか、自分から直接より矢崎さんのソフトな感じでお願いしたいのです。」
「分かりました、伝えて…、そうですね他のメンバーにも確認の意味で話しておきましょうか?」
「お願いします、え~っと、上手く行かなかった時はきっちり報告を、そうですね出来れば失敗の原因とかまで考察しての報告が欲しいという事も添えて下さいますか。」
「はい、室長のお気持ちがしっかり伝わる様に今日の会議で話させて頂きます。」
「よろしくお願いします。」
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