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幼い頃-05 [安藤優-01]

安藤優が始めてテレビに出たのは三歳の終わり頃、外国語大学のCMだった。
依頼を受けた時、普段協力して頂いてるからと両親が承諾。
本人はあまりテレビを見ない事もあって良く分からなかった様だが、ベビーシッター達と一緒だった事もあってか撮影を楽しんだようだ。

優が道を歩いていると色々な国の人達がそれぞれの母国語で話し掛ける、それに優が応えて行くという感じのCMは結構好評で局に問い合わせが有ったり、ネットでは声の似た複数の子が話してるのだろうとか、フランス語の発音が良かったとか、可愛いとか、誰? といった話題で盛り上がった、ただこの時点で優の事は一切公表されなかった。

四歳の中頃からは、しばらくの間バラエティ番組に出た。
父親達が新規で立ち上げた政党、その初の国政選挙が見えて来た頃、ちょっとした応援効果を狙って大人達が企画した。
父親が立候補する訳ではなかったが。

番組冒頭、まずはバイオリンを聴かせる優、その演奏の後。
「今日はしばらく前に話題となりましたCMの主役、安藤優くんにお越し頂きました、まずはバイオリンを披露して貰いましたが、優くんこんにちは。」
「こんにちは。」
「優くんはバイオリンもお上手なんですね。」
「まだ上手く弾けない、桜子はねうんと上手なんだ、え~っと、桜子は僕の事を優って呼ぶから私の事は桜子って呼んでって言ってくれたから、さんを付けなくても良いんだよ、え~っと桜子のバイオリンはすごく素敵なんだよ。」
「知ってるよ、佐々木桜子さんとも仲良しなんだね。」
「うん。」
「優くんは色々な国の言葉が話せるんだってね。」
「まあね。」
「今日は色々な国の方に来て頂いてるから少しお話ししてくれるかな。」
「いいよ。」
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