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幼い頃-02 [安藤優-01]

優の朝は両親との朝食に始まる、食後は父親が相手をする、彼は社長だが実務は副社長達に任せて在宅で仕事をしている事も多い。
会社に有った社長室も今は副社長が使っていて、自宅が社長室の様なものなのだ。
十時ぐらいになると、ベビーシッター達がやってくる、基本二人一組だ。
例えばフランス人留学生とフランス語を学んでいる学生、日本語の得意な中国人留学生と保育実習として保育を学んでいる学生、といった具合だ。
優が寝ている時もある、特に一歳にも満たない頃はこんな時間が多かった。
彼らはただ赤ん坊の面倒を見るだけでなく、時に両親と母国の話しをしたり、時に料理を手伝ったりもする。
この頃、ベビーシッター達はシフトが組まれていた。
朝から来た人達は昼前に来た人達と昼食を共にし、後片付けをして帰る。
昼前に来た人達はおやつ前に来た人達とお茶を頂いてから帰る。
おやつ前に来た人達は夕食前に来た人達と食事をして帰る。
夕食前に来た人達は優に本の読み聞かせをして帰るが、時には他の来客と酒を酌み交わすという事も有った。
食費が浮いてバイト代も入る、優の両親は有名人なので来たがる人は多く、秘書はスケジュール調整に頭を悩ませたそうだ。

母国語を愛してやまないフランス人達はチームを組んで特に熱心に取り組んだ。
他の国の人達も思いは様々ながら真面目に優と向き合う、中には社長である親と良好な関係を築きたいと思う者もいる。
目の前の赤ん坊が将来は社長になるかもしれないと考えたら、何とか自分の母国語を身に付けて欲しいと考えても不思議ではない。
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