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五年後-04 [チーム桜-12]

翌日、モデル地区の居酒屋では。

「おい、チーム桜の新党が決定したそうだぞ、正式な発表も来週中に有るとの事で、お祭り騒ぎにはまだ早いが準備はしてくれと言われた。」
「お祭りの準備か?」
「バカ、選挙のだろ。」
「次回の衆議院議員選挙が楽しみになる訳か。」
「ここからは誰が出るんだ?」
「そりゃ佐々木代表だろう。」
「当選確実だな。」
「たぶん、でもしっかり票を集めての当選じゃないと…、俺達が恥ずかしくないか。」
「だよな、最高の投票率、最高の得票数で俺達の底力を全国に見せつけないと。」
「自分の住む所がモデル地区になったことで、随分意識が変わった気がする。」
「だよな、でも変な遊びをしてるよりよっぽど充実感が有る、この商店街だって昔とは全く違った形で再生できたしな。」
「次は国の改革にささやかながらも俺達の力を役立てるって事だな。」
「とりあえず乾杯か?」
「はは、じゃあ新党に乾杯と行くか。」
「おお。」

「おや、こんな時間に婦人会のメンバーって珍しいね。」
「新党の話、聞いたでしょ。」
「ああ。」
「私達も乾杯しましょうってね。」
「なら俺のおごりだ、何時も有難うな。」
「お~、太っ腹、マジで御馳走になっちゃうわよ。」
「このワクワクした気持ちを皆で分かち合いたいじゃないか。」
「では遠慮なく…。」

「商店街以外は表向きすごく変わったという訳でもないけど、随分変わったんだろ。」
「ええ、街の雰囲気も変わりました、子ども達を見守る目も沢山増えて、子どもは国の宝と言って可愛がって下さるご老人も、以前はきっかけがなかったり、下手に子どもに声を掛けると通報されるんじゃないかとためらっていた人も、きちんとした形で子ども達と向き合える場を作った事によって、知らない人じゃなくなって喜んでみえます。
ワンルームマンションもチーム桜の人が増えたお陰でゴミもきちんと出してくれる様になりましたし、学区の行事に参加してくれる人も結構います。
この地域ではチーム桜メンバーの率がかなり高くなりましたからね。」
「住みたくなる町の上位だからね、固定資産税が上がるのかな。」
「それでも、多くの改革をここでしてくれての結果だから喜んで払うわ。」
「そうだよな、これで新党が政権を握ったら税金の無駄遣いも減る筈だから、沢山稼いで沢山税金を払わなきゃな。」
「そして私達におごって下さって感謝もされる。」
「はは、そう行きたいね。」
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