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五年後-02 [チーム桜-12]

入って来たのはチーム桜政治部部長の水野だ。

「こんばんわ。」
「こんばんわ、早かったね。」
「佐々木、水野を呼んだという事はそろそろか?」
「チーム桜内でも色々な意見は有ったが方向は固まってきたからな。」
「じゃあ、皆にも聞いて貰うか。」

部屋で談笑していたチーム桜幹部、桜根幹部に声を掛ける安藤、皆が水野を注目する。

「五年以上掛けて準備をしてきましたが、チーム桜主体の政治団体を立ち上げる所までこぎ着けました、形式上はチーム桜と別組織になります、支持母体がチーム桜と考えて下さい。
チーム桜のメンバーにもなって下さっている、既存政党所属の国会議員、地方議会議員の方々もかなりの人数が参加を表明して下さっていますので、政党の要件をクリアしてのスタートとなります。
チーム桜佐々木代表から正式発表の後、党員募集をして党大会を開きます。
党員に制限は儲けませんが、党費として年額二千円を考えています。
党首は党員の選挙で選びます。
特徴的な事としては、すでに国政を担う事を前提に政策その他の準備をしているという事で、この部分に随分時間を掛けました、もちろん今も調査研究を続けています。
少数野党に甘んじるつもりは毛頭有りません。
理解と協力お願いします。」
「いよいよか、もっと早くてもと思ってたけど、しっかりした準備なく新党を立ち上げていつの間にか消えてく様な政党でも考え物だからな。」
「政治部の存在は誰しもが知る所だから、誰も驚かないだろうね。」
「党名はどうするの?」
「やっぱ桜党か?」
「それだと、ひねりがないな。」
「水野さん、公募にしますか?」
「新党発表の段階で公募してそこから候補を選び、党首と共に党員の投票で決める、党大会で発表という流れを考えていますが如何でしょうか。」
「党名と党首が同時に決まるという事ね、良いんじゃないかしら。」
「党首は佐々木さんが良いと思いま~す。」
「おいおい、クラス委員の選出じゃないんだぞ。」
「でも、佐々木が党首になった方がインパクトが大きいだろうな。」
「そのまま総理大臣の座へ向かってまっしぐらに進んで欲しいわ。」
「佐々木、覚悟の程は?」
「あちこちからずいぶん言われて来たから党首選挙を逃げる訳には行かなくなってる、もっと人生経験豊富な人にお願いしたい気もするが。」
「いや、バックは俺達年寄りが支えるから若手で行くべきだ、そうでなくては新党の意味がない、これからの時代を作って行くのは若者なんだというメッセージにもなる。」
「杉浦社長からそう言われては腹を括るしかないですね、でも党首選挙の結果を見ないと分かりませんよ。」
「はは、佐々木に対抗できるのは安藤社長ぐらいだろ、でも安藤社長はこっちに必要な人なんでな。」
「分かってます、桜根が杉浦社長と手を組んで更に大きくなろうとしている時ですからね。」
「佐々木君は次の衆議院選挙に出馬か?」
「はい、もうしばらく時間が有ると読んでいますので、その間にしっかり準備したいと思っています。」
「選挙する前から当選確実なんじゃないのか?」
「地元のチーム桜メンバー次第だとは思うが、これまでの福祉、教育関係の実績が評価されない筈はないだろう。」
「候補者は全選挙区に立てるんだよな。」
「もちろん政権政党を目指しますから。」
「問題は資金か?」
「政治部はすでに全国レベルで活動しています、その資金も含め寄付を頂いていますし、新党結成となれば色々な収入元が出来ると思っています。」
「党員向けにトレーナーとか売れば、かなりの売り上げになると思うな、安藤、生産能力は大丈夫か?」
「ああ、日本中で同じトレーナーを持つ人が何百万人とかになるかもしれないが、選挙までには何とかなると思う、現政権が新党設立に焦って解散しなければだけど。」
「可能性は有りますね、でも選挙の為のトレーナーでなくても良い訳ですから。」
「従業員に過酷な労働を強いてまで間に合わせようとは思わないよ、暮らし易い国作りを目指す政党なんだから、本末転倒になってもな。」
「暮らし易い国作りか、また俺達の挑戦が始まるんだな。」
「問題は山積みだろ。」
「ですね、行政組織に合わせて作成した今後の方針案を全部印刷したら、本棚が埋まりますよ。」
「すぐにでも組閣出来るとか?」
「ええ、各分野の担当責任者がそのまま大臣もしくはその補佐に付く形と考えています。」
「官僚との関係も考えての事ですか?」
「もちろんです、但し今までとは官僚の立場や仕事の内容は変えて行きます、まあ官僚の中にもチーム桜のメンバーはいますけどね。」
「現政権とはどう向き合います?」
「問題が有る所に関してはきちんと対案を出して行きますし、反対する理由のない事に関しては党利党略など考えずに協力して行きます。」
「まともな政治が実現出来るのかな。」
「下らない事で無駄に時間を潰す様な国会ではなくしたいですね。」
「それなら…。」
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