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中学校-30 [チーム桜-11]

金曜夜、安藤隆二の自宅。

「佐々木、中学校の方はどうなってる、ずいぶん力を入れてるとは聞いてるが。」
「教育改革の方向性を示せるとこまで行けそうだよ、調査に係わってくれた人達が良い仕事をしてくれてるからね。」
「具体的には?」
「まず数学で始めたのは、宿題の量や質を個人の力に合わせる取り組み、さらに希望者にはそのレベルに合わせた練習問題を複数用意して活用してもらったり、ハイレベルな生徒の為に特別練習問題を用意したりと考えている、宿題改革だよ。
自学自習の方法を教えて、それを理解し実行できる生徒が伸びる形だと考えている。
テストは今まで各中学の教師が各々作成していたものを、どこの中学でも使って貰える様な形で、似たレベル、同じフォーマット、そして宿題に準じた形の物を、複数用意させて貰う方向だ、教師の手間を減らせるだけでなくテスト結果の分析が楽になる、ほんとは市内の全中学統一と行きたいけど日程的に難しいから日程の違いに対応してテスト用紙を用意する事になる、実際の所は賛否も出そうだけど日にちも時間も合わせた統一テストを行って順位を調べても良いと考えていてね、自分が全部の名古屋市立中学三年生の中で何位ぐらいなのか知る事は特に上位の子にとっては励みになるし受験する高校を決める時の参考にもなるからね。」
「そうか、中学校の学校間格差の問題もあったな。」
「そういう事だ、中学では何時も上位だった子が進学校へ入ったら学年最下位、それを想定していた子は良いが、そうでなかったらちょっと可哀そうかもだろ。」
「という事は入試改革も考えて行く訳だな。」
「もちろんだ。」

「中学校調査の発端になった、いじめ問題はどうなんだ?」
「さすがに学生が各クラスにいるから、今は表立ってのいじめはなくなっているみたいだ、ただ今後の事を考えた時に、ボランティアが校内にいる状況にして行きたいと考えている、中学校サポーターみたいな形なんだが、学校って結構閉鎖された環境だろ、そんな中で子ども達は多くの時間を同学年の子と過ごす、ここに一つの弊害が有ると思ってね、子どもが接する大人というとほとんど親と教師に限られる、これでは視野が狭くなると思わないか。」
「だろうな、うちの親はそれを意識してか色々な経験をさせてくれたけど。」
「まだまだ準備段階だが、中学の授業を受け直してみたいというお年寄りや、手芸を教えてみたいとか、お昼休みには中学校の校庭で乳幼児連れのお母さんと触れ合う時間とか、実験的校舎改修作業に合わせて、生徒が工務店の人と接する場を作るとか考えてるよ。」
「まずは廊下に木材を敷いて板張りの廊下にしてみるという、あれも利用する訳か。」
「施工業者の方に趣旨を理解して頂いての入札という事も想定しているよ。」
「木材利用の可能性、暖かみの有る校舎作り、生徒の視野を広げる、良い方向性だと思うな。」
「部活関係は安藤も知ってる方向で進んでいる、他にも色々進行中だけど、小学校や高校へも視点が向き始めているから、どこまで出来るか楽しみだ。」
「そうだな、チーム桜が有って始めて実現出来るレベルで事が進んでいる訳だな。」
「問題が山積みだという事が分かっていながら今まで放置されてた部分も有るからね、この取り組みへの参加者はどんどん増えている、問題作り一つにしてもすごい問題集が出来る勢いだ、行政の限界を俺達で崩せたら面白くなるだろうな。」
「問題も発生して来るだろうが、桜根としても全面協力させてもらうよ。」
「ああ、頼むな。」
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