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中学校-29 [チーム桜-11]

二学期、選べる宿題申告制が始まった

「本当にこれだけで良いの?」
「ああ、その代わり必ずきちんとやるんだよ、ここまでは必ずやりますという約束なんだけど出来るかな。」
「うん。」
「そうか拓也は逃げの最低レベルか、俺は頑張ってレベル三だな、でも余裕が有ったらレベル四までやっても良いんでしょ?」
「もちろんさ、これからの宿題内容がレベル四まできっちり理解出来てミスが無かったら次のテストで七、八十点を狙えるように作って有るからね。」
「レベル一だと?」
「二、三十点ぐらいかな、もちろんきちんと理解して練習した場合だけどな。」
「でもさ、レベル三まで出来るのにレベル一までしかやらない奴がいたらどうするの?」
「それは本人の責任さ、俺達は無理なく学習出来る環境を整えようと考えてるけど、実際に学習する本人が上を目指してないのに押し付けてもね、まあ本人が損をするかもしれないけど、もう中学生なんだからそれぐらいは自己責任の範囲じゃないか? 人それぞれだし。」
「人それぞれか…。」
「順平、夏休みの学習会では学習する意味とか考えたじゃん、その時にさ、今まで全然授業について行けてなかった俺だけど、自分なりの目標を持って学習するって事を教えて貰ってさ、この宿題はレベル一だけど基礎問題を別で少しずつ練習してるんだ。」
「へ~、そうなんだ真面目にやってんのか。」
「中一の内容が分かんないのに、中三の問題が解けたらおかしいって言われたんだ。」
「確かにそうだな…。」
「数学の力とかも人それぞれだけど、前向きに取り組もうとしてる拓也はかっこ良いと思わないか、順平。」
「うん、拓也、俺でも分かる所は手伝うよ。」
「有難う。」

「岡井さん、宿題終わらせちゃったけど、追加の問題も有るんですよね。」
「ああ、レベルは?」
「レベル四をもう少しやりたいのですけど。」
「じゃあレベル四ばかりのプリントをやってみる?」
「お願いします。」
「ただし条件が有るんだけどいいかな?」
「えっ? どんな条件なんです?」
「調査に協力して欲しいんだ。」
「調査?」
「追加プリントレベル四その一から五の解答用紙がこれなんだけど、自分で答え合わせした後で、宿題の問題を基準に考えた時、それより難しかったか簡単だったかをここに印を付けて提出して欲しいのさ、ほとんど宿題と同程度だったらゼロ、すごく難しいと感じたらプラス三、すごく簡単だと感じたらマイナス三って感じ、まあ難しいと感じるか簡単と感じるかは人それぞれだから、感覚的に簡単に判断して答えてくれれば良いんだけど。」
「それぐらいだったら協力します、でも…、その五が有るという事はその六とかも有るんですか?」
「まあね、詳しくは話せない大人の事情ってのが有る訳だ。」
「何か今までは調査って聞いてた割に調査っぽくなかったけど。」
「いや~、良い調査が出来たから次の段階へ進めてると思ってくれな。」
「追加プリントの提出期限は次のテスト当日だからね。」
「あっ、なんだテスト勉強になるってことか。」
「まあそっちが大切なんだけど。」
「ねえ、追加プリントは全部で何枚有るの?」
「う~ん、何枚になるのかは俺も解らないけど、本気で沢山の問題に取り組んでみようと思う生徒に充分な問題数は用意出来ると思う、ただしレベル五へのチャレンジもしてくれな。」
「はい…、何か岡井さん達すごいことやってるみたいな…。」
「はは、結果が出るまでには時間が掛かるけどね。」
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