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中学校-15 [チーム桜-10]

一学期期末テスト終了後。

「早くボール蹴りて~。」
「あせるな、柔軟をしっかりやって怪我をしない様にって言われてるだろ。」
「分かってるって、でもさ自分で考えてイメージするって秋田先生の言葉を、テスト前からずっと考えていてさ。」
「うん。」
「今まで何にも考えて無かったって思ったんだ。」
「うん、分かる、パス一つにしてもプロは色々な事を考えていて、一見何でもない簡単に見えるパスでも裏で積み上げてきた膨大な練習、しかも色々考えての練習が存在するって。」
「コーチから教えて貰った事も色々考えてたら、早く試してみたくなってさ。」
「お前そんな事考えててテスト大丈夫だったのか?」
「時間配分はしっかり考えた、トレーニングの合間にテスト勉強もしっかりしたさ。」
「おい、それ逆じゃないのか?」
「はは、集中した時の俺の力を知らないな、今回こそ学年順位一桁が取れそうなんだけど…、上位陣は皆調査の学生さん達からアドバイスを受けてるから…。」
「数学は昨年の平均点を大きく上回ってるらしいな。」
「まあ、この中学内で勝負してても仕方ないんだろう、高校進学とか考えたら。」
「部活がんばったら、夏休み期間中も学習指導して貰えるんだよな。」
「宿題は早めに終わらせて、でも成瀬さんの実験的授業って何か楽しそうだよ。」
「俺は、上田さんの英語だな。」
「うん、何か本物って感が…、違うよな。」
「そろそろショートパスから始めるか?」
「ああ、いいか単純な一つのパスにも課題を考えたりしながらだな。」
「はは、考え過ぎるなとも言われたろ。」
「おお。」

「上田さんが合唱部に来て下さると楽しいわ。」
「そう? 私でも役に立ってるのかしら?」
「どうしてそんなに英語の発音が綺麗なんですか?」
「帰国子女?」
「ふふ、私は単純なのよ。」
「単純って?」
「ここのRの発音はこうって教えられたらその通りしてきただけなんだけどな。」
「私も発音記号とか確認しながら練習してるつもりなんだけど、上田さんみたいには出来ない。」
「あれっ、合唱部でしょ?」
「合唱部でも英語の発音には関係なく有りませんか?」
「あなたソプラノでしょ、当然頭声発声を心がけてるでしょ。」
「基本ですから。」
「発声に於ける日本語と英語の大きな違いって考えた事有る?」
「有りません、なんか難しそう。」
「ふふ、英語が苦手でも英語っぽく話す事は出来るのよ。」
「コツとか有るのですか?」
「まずは素直に教えられた通りに、そうね日本語では使わない様な舌を使って発音する事を真面目に実行する事、そして歌う様に話す事。」
「えっ、アメリカの人、話す時歌ってませんよ。」
「歌う様にというのは声の響きの事、ソプラノの基本で有る頭声発声はそのまま英語の発声と思って試してみて、I love you. アイラブユー」
「あっ、そうか英語は歌う時と同じ響かせ方をしてるんだ。」
「何か英語っぽく発音するのって恥ずかしかったけど…、ふふふこのテク使ったら英語の先生より英語っぽく出来るかも。」
「ぽくじゃなく、きちんと身に付けて欲しいかな。」
「だよね、英語の曲、もっともっと歌ってみたいな。」
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