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中学校-12 [チーム桜-10]

学生休憩室。

「期末テスト期間中は教室へ入らないから皆来ないかと思ったけど。」
「そう言ってる武田はどうして来てるんだ?」
「まあ調査内容の整理と午後からの学習会だな。」
「ふふ、皆似た様な事なのよね。」
「なあ、授業の無駄についてこの前話し合ったけど、能力別授業を実験的に出来ないものかな。」
「実現出来るかどうかは分からないけど、きちんとした企画書を提出すれば検討してくれる事にはなってるみたいだよ。」
「授業内容をほとんど理解出来てない子と簡単すぎて他事をしてる子が同じ教師の授業を受けてるって無駄以外の何物でもないだろ。」
「でも公立中学だと平等とか公平とか言って、能力別に反対する人がいるのよね。」
「ばかばかしいよな、同じ宿題を出されても五分で終わる子と、三十分掛かる子がいて、ストレスを基準にしたら同じ量とは言えない、個人の能力差を努力不足と決めつけてる人もいるらしいし。」
「現場の教師は分かっていても、一人で抱えている事が多過ぎてどうにも出来ないのが現状なのよね。」
「能力別にするとどのクラスになったかで問題になるとか…、そんなの親の見栄でしかないのにな。」
「良かったら俺、企画書作ってみるけど、手伝ってくれないか?」
「二学期からでも試してみたいよな、手伝うよ。」
「子ども達にも、もう一度聞いてみるわ。」
「子ども達が納得する形で、そして基礎学習に時間を掛けるクラスに入っても恥じゃないって事を子ども達全員が思ってくれるようなフォローをして行きたいな。」
「二学期からとなると急ぐ必要が有るだろうな、俺は花井さんに相談してみるよ。」
「能力別と言っても色々な分け方が想定出来るよな、俺は数学苦手な子向けの授業を検討してみる、チーム桜にも広く呼びかけてみようか。」
「そうだな、じゃあ俺は数学得意な子に向けての…、前段階として企画書を作ります協力お願いしますという形でチーム桜メンバーに呼びかけたら色々出て来ないか?」
「多く出過ぎて整理しにくいかもだけど。」
「その辺りは試行錯誤も許されるだろう。」
「勉強が苦手な子にとっても楽しい学校にしたいな。」
「今時間の有るメンバーで具体的な案を考えてみないか?」
「そうだな、まずは数学でどうだ?」
「問題は幾つに分けるかという事かしら。」
「いきなり細かく分けるのは無理が有るんじゃないか?」
「メインの中間層、基礎を中心の層と応用中心の三つでどうかな?」
「人数の比がどうなるか、後は…、どうやって分けるか。」
「趣旨を説明して自分で選んで貰うってどうかな。」
「そうか、本人が納得してれば問題も起きにくいか。」
「クラスを三つに分けるとなると、部屋の問題や教師の問題も発生してくるよな。」
「三クラス合同に出来れば良いけど、人数比によって…、二クラス合同ならなんとかなるのかな。」
「基礎クラスに人気の有る学生を配置するとか。」
「力が無いのに応用クラスを希望して来る生徒はどうする?」
「応用クラスはテストで振り分けても良いんじゃないかな。」
「上のクラスに入りたかったら、自分の力を示せって事か。」
「それなりに力が有るのに基礎クラスを希望してきた子は?」
「基礎クラスは個別のカリキュラムにせざるを得ないと思うからそれ程問題にならない気もする。」
「やっぱ、やってみないとって部分は有るよな。」
「そうね、応用クラスは自学自習を中心にしたいと思うけど…、どのレベルまでを応用クラスにするかで変わってくるわよね。」
「途中で修正出来る企画にしておきたいな。」
「だよな、始めに決めた方針を無理に押し通す様な事は本末転倒だ。」
「う~ん、皆の話を聞いて見えて来た部分も有るけど、二学期からというのは難しい気もして来た。」
「夏休み中に希望者を募っての模擬授業ってどうかな?」
「うわっ、さらに準備期間が短くならないか。」
「でも、正規の授業でなければ融通は利くよな。」
「どうする? それなりの人数がいないと難しいと思うが。」
「やろうよ、ここでなら…、こんなチャンスなかなかないと思うぞ。」
「生徒達が来てくれるかどうかだけど。」
「な~に、宿題を皆でやろうとか言って呼びかけたら簡単に集まると思うよ、保険として生徒達に人気の有る連中に声を掛けとくかな。」
「分担を決めて一気に動くか。」
「私は清瀬くんにお願いしてみるわ。」
「おいおい、下心丸見えだぞ。」
「はは。」
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