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中学校-11 [チーム桜-10]

ある日の授業後、花井と緒方。

「緒方くん、小山くんの方はどう?」
「引っ越してきた当初は緊張ぎみだったけど、まぁ今は期末テストに集中してるよ。」
「色々な手続きとか大変じゃないの?」
「親父がやってくれてるから大丈夫だと思う。」
「お父様の判断はずいぶん早かったわね。」
「聡を家に招いて食事を共にして、姉も弟も新しい弟が出来る事に賛成してくれたからね、転校先は俺達兄弟の母校だから、弟と一緒に事情を説明しに行ってきたよ。」
「小山くんの家族の方は大丈夫?」
「チーム桜でフォローを検討してくれるそうだ、父親の方は桜根関連に就職するかもしれない、ただ母親の方は時間が掛かるだろうとの事でね…、まあ聡が希望すれば何時でも会えるけど、今は会いたくないみたいだな。」
「奨学生の手続きも大丈夫?」
「ああ、金銭面は問題ないから、奨学生サポーターの支援だけをお願いしているよ、家族でサポートはして行くけど、違う視点でのサポートが有った方が安心だと考えてね。」
「初めて彼に会った時には考えもしなかった展開だけど、先生方もチーム桜の本気を見せつけられたって話してみえたし、学区の方々から協力したいとの声が上がって来たのは、緒方くんのおかげだと思うわ。」
「そんな大それた事じゃないけど…、花井さんは、その学区の方々にはどんな協力をして頂くつもり?」
「メインに考えているのは、子ども達と交流して頂いて顔見知りになって頂く事かな、地域の大人達が協力して子ども達の成長を見守る様な環境を考えてるの。」
「う~ん、そうか…、子ども達を見守る目が増えるという事かな…、どんな形で交流の場を作って行く?」
「まずは部活の応援からと考えてるけど、緒方くん、何か案は有るかしら?」
「自然な形を作れると良いよね、変に形式ばった事をすると子ども達も心を開きにくいだろうし、部活の応援だけでなく参加して頂ける環境が有っても…、やはり組織としてきちんとした形にすべきだよな…、小学生も視野に入れて、事故が起きた時の対応も必要だろうし、子どもの環境と教育を中心にしたモデル地区という形も有りじゃないか。」
「そうね…、そうなると規模が大きくなるけど…、本来有るべき姿なのかもしれないわね。」
「集団社会を維持して行くには次世代の教育という問題が有る、それは単純に親だけの責任ではなく、その集団の責任でも有る訳だろ。」
「集団と簡単に言ってもその規模は様々って事よね?」
「ああ、チーム桜が目指している組織を考えたら、少なくとも方向性は見えてくるよな。」
「すぐに佐々木代表と相談してみるわ、ただそうなってくると私では荷が重いかな。」
「無理はしないでくれ、俺も協力するから、ただこの近くに住んでる人にリーダーをお願いしたいとは思うが。」
「ええ、緒方くん、遠くから通ってくれて有難うね。」
「はは、花井さんに感謝される事じゃないさ。」
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