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中学校-06 [チーム桜-09]

図書室。

「緒方さん、お勧めの本って有りますか?」
「お勧め? そうだなぁ~、今まで読んだ本にもよるけど。」
「軽いのばかりで難しいのは読んだ事ないんです。」
「う~ん、せっかく図書室が有るのだから、つまみ読みってどうかな?」
「えっ?」
「適当に手にとって読み始めてみる、一行とか一ページ読んでみて続きを読みたくならなかったら、やめて次の本、読みたくなったら読み進めてみて、やはりつまんないって思ったらやめる、読みたくない本を無理に読まなくても良いと思うよ、軽いのが読めるのだから、良い本との出会いが有るかも。」
「そっか。」
「ふーちゃん、色々教えてくれて有難うね、小山くんの事。」
「うん、聡くんとは小学生の頃、一緒に遊んでたのに…、色々変な事になっちゃって…。」
「何とか良い方向に持って行けそうだから安心して。」
「今回の調査って、いじめとかが有ったからですか?」
「まあね、チーム桜関連で行った調査で、詳しくは話せないんだけど。」
「あっ、聡くんだ。」

「緒方さん話の方はまとまりました、よろしくお願いします、ふー心配してくれて有難うな。」
「そうか、良かった。」
「えっ、どうまとまったの?」
「ふー、俺は転校する事になった、緒方さんの家の近くの中学に。」
「引っ越すの?」
「ああ、心機一転という事かな、苗字も緒方にして下さるそうだ。」
「私は、おめでとうって言えば良いのかしら。」
「出来れば。」
「ちょっと寂しいけど、おめでとう。」
「有難う。」
「大変だったんでしょ。」
「チーム桜の佐々木代表と緒方さんのお父さんが色々動いて下さって…、元々今の父親とは血の繋がりもなかったし、母親はあんな状態になってしまったから…。」
「じゃあ、緒方さんが聡くんのお兄さんになるって事?」
「可愛い弟が出来たから、今度木曽方面へ旅行に行くんだ。」
「あ~、うらやましいな、私も連れてって。」
「はは、メインは藤村記念館だから、夜明け前ぐらい読んどかないと仲間はずれだよ。」
「あ~ん、そんな~。」
「寺田さんも一緒だから大丈夫じゃないの。」
「だめだめ、彼女も、がんばって読んでるんだから…、でも、俺達が読んでたのよりうんと読み易いのを見つけて、もうすぐ読み終えるみたいだよ。」
「へ~、まぁ、ふーには僕が解説してあげるよ、面白くないかもだけど…。」
「小学生の頃勉強教えて貰ってた事思い出した、私は全然だめだったに優しく教えてくれたね…、聡くん、ごめんね…、私、怖くて…、何も出来なくて…。」
「はは、泣くなよ、仕方なかったんだからさ。」
「そっか、じゃあ期末テストが終わったら四人で行こう。」
「あ~、期末テスト…、忘れたかったのに…。」
「はは、聡、手伝ってあげたら?」
「一教科当たり五点くらいはアップできるかな。」
「え~、せめて十点。」
「それは、ふーのがんばり次第だろ。」
「そうよね、楽しい夏休み目指してがんばるかな。」
「高校は大丈夫なのか?」
「親は自分の力に合ったとこへ行けって言ってくれてるから。」
「うん、正解だね、まぁ聡はチーム桜が全面的にサポートしてくれるから…、高校全部落ちたら面白いんだけどな。」
「それはちょっと…。」
「と、言いながら公立のトップレベルを第一志望にするつもりなんだろ。」
「自分を試したい気持ちも有るし、結果を出して今回色々助けて下さった方々に喜んで頂きたいし、将来はチーム桜で自分の力を生かしたいですから。」
「転校するまでは今の家に住むの?」
「いや、決定したのだからすぐ俺んとこに引っ越しだ、荷物はまとめて有る?」
「はい、大した荷物は有りませんから。」
「夏休みまで通学が大変かもしれないけど、俺がここへ来る日は一緒に車で来れば良いし…、他の日はちょっと相談してみる。」
「有難う御座います。」
「ちょっと連絡を取って来るよ、それから荷物を取りに行こうか。」
「はい。」
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