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中学校-05 [チーム桜-09]

ある日の授業後、運動場。

「やはり中学はグランドが狭いな。」
「でもここは昔生徒が多かった事も有って中学にしては広い方なんです。」
「特に強い部活は?」
「あまりないみたいです、たまにうまい子がいると少し上に行くぐらいで。」
「うん、やはり予定通り二つの方向から行こうか、能力測定の準備は済んでる?」
「はい。」
「運動場を使うのは、野球とソフトとサッカー、陸上か、調整し直したんだよね。」
「はい、特に面積を広く使いたい三つの部活は練習内容を調整して取り合えずバランスを取りつつ効率を上げました、ただトレーニング内容は大きく見直したいですね。」
「素人が指導してた訳だから仕方ないだろう、まずは一般的公立中学に於ける部活指導のモデルを構築だな。」
「その上でどれくらいの結果が出せるかの実験的取り組み、先生ちょっと欲張りじゃないですか?」
「別に大会で優勝させようと思ってる訳じゃないから良いだろ、あれっ、あのカメラは?」
「今回の件を佐々木代表に話した所、記録を残してドキュメンタリー番組を制作する方向で、保護者の方の許可も得て有ります。」
「良いねえ、中学に於ける部活動の問題点も浮き彫りにして貰おう。」
「はい、あっ子ども達も揃った様です。」

「今日からサッカー部の外部指導者になる秋田です、よろしく。
この件に関しては立岡くんから聞いてると思うので説明は省かせて貰う、ただ一つ肝に銘じておいて欲しい事は時間の使い方、だらだら長時間やっても意味はない、約二時間の練習時間をより有効に使うと考えて欲しい、良いかな?」
「はい!」
「今日は運動場の広い所をソフト部に譲って君達には能力測定を行って貰う、良いか自分の今の力を知る事は大切な事だから、真面目に取り組んで欲しい、では後は立岡くんの指示に従ってくれ。」
「はい!」

「秋田先生、お茶は如何ですか?」
「ああ、有難う花井さん、中学生はかわいいね、元気も有る。」
「皆、ワクワクしてるのですよ、立岡くんが先生の実績とか話していましたから。」
「はは、過去の話だよ、それより緒方くんが来てるって聞いたけど。」
「はい、ちょっと問題を抱えてる子についてくれてます。」
「じゃあサッカー部には来てくれないのか…、残念だな、彼のサッカーは綺麗だから中学生のお手本に最適だと思ったんだ、長身だからうちとの試合でも目立っていたからね。」
「そうですか…、一度相談してみます、ところで先生の所のサッカー部は大丈夫なんですか?」
「指導者の世代交代も必要なんだよ、若い世代の教育もね、もちろん皆がプロの選手になる訳じゃない、でもフットサルでも違った競技でも良いから、ずっとスポーツが身近な存在という大人になって欲しいと思っているんだ。」
「生涯スポーツという事ですね、子どもの段階でスポーツ嫌いを作らない体育の授業を考えてる学生もいますが。」
「ああ、大切な事だね、その学生とも機会が有ったら話してみたいな。」
「調整させて頂きます。」
「どう、このプロジェクトの発端はいじめ問題だったと聞いているけど。」
「今の所は平和です、学生の目が有っては変な事出来ないでしょうし、ちょっと危なそうな子の居るクラスには柔道部とか貼り付けて有ります。」
「しかし、ずっととは行かないだろ。」
「はい、ただ今回の結果を踏まえて、良いシステムが構築出来ないか模索しています。」
「予算の関係とか色々難しい事情が有るかもしれないが、私も協力させて貰うよ。」
「有難う御座います、佐々木代表も一度秋田先生と会ってお話しがしたいとの事ですが如何ですか?」
「私の方こそ会ってみたいよ、短期間で大きな組織を築き上げ実績も出している人物だからね。」
「次の金曜日の夜は空いてませんか?」
「うん、特に予定はないが。」
「では飲み会に参加お願い出来ませんか、佐々木代表達との。」
「行きたいね、場所は?」
「桜根、安藤社長の御自宅です、私達も誘って頂いて、ちょっと舞い上がってるんですが。」
「という事は、安藤社長とも。」
「もちろんです。」
「チーム桜の二本柱に会えるのか…、妻に恨まれそうだな。」
「えっ、秋田先生恐妻家なんですか?」
「いや、そうでもないが、うちのは彼らの大ファンなんだよ。」
「たぶんご夫妻で参加して下さって問題ないと思います、私達も彼氏、彼女と一緒にって言われていますから、念の為確認は取っておきますので後ほど。」
「ああ、頼むよ、この前俺が大型バイクを買ってから機嫌が悪いんだ。」
「そんなご事情が…。」
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