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中学校-04 [チーム桜-09]

ある日の職員室。

「学生達の調査って何やってるんだろうね?」
「まあ彼らなりに考えてるんじゃないですか。」
「授業は楽になったな、結構真面目でレベルの高い子が来てる気がする、教育実習じゃひどいのも来るだろ。」
「ええ、本気で教師になる気が有るのかどうか分からない子が来ると迷惑でしかないわよね。」
「でも今回は教育実習じゃないから、直接授業はしないしテストとかの協力もしてくれないんだろ、せっかくだからちゃんと働いてくれたら良いのに。」
「西田先生また自分がさぼる事考えていませんか?」
「いや…、彼らに良い経験をさせてあげたいから…。」
「今回の調査は中学校の調査でしょ、調査対象は生徒だけじゃないかも知れませんよ。」
「学生からは結構ポイントをついた質問を受けてるからな。」
「でもさすがに校内が平和になったわね。」
「問題の有るクラスにはちゃんと体格の良いお兄さんが常駐してるから、さすがの安永もおとなしくせざるを得ないだろう。」
「小テストの結果が一気に上がったのよね。」
「だな、俺達の力不足だったと思いたくないが…。」
「子ども一人に対する指導者の人数比が上がってる訳だから…、教師の仕事量を考えたら普段は絶対的に人数不足なんじゃないか。」
「ああ、そこを指摘してくれた学生もいるよ。」
「俺はサッカー部の指導について、学生達と討論をしているが、正直言って色々教えて貰ってるという感じだね。」
「私は微妙だなぁ~、英語の発音がめちゃ綺麗な学生がいて、ちょっと立場がさ。」

「失礼します。」
「はい。」
「桐山先生、三年生の数学小テストの結果を、氏名抜きで頂けないでしょうか、出来れば四月からすべて欲しいのですが。」
「やはり君達が動いてくれてたんだね、今回は一気に上がってるよ、内容的には平均点が下がる範囲なのに。」
「三年担当でチームを組んで指導させて頂きました、卒論の一部に取り入れたいという声も有りまして、教頭先生にもお願いしておきましたので確認お願いします。」
「助けて貰ってるからデータ位は送らせて貰うよ、校外に出しても問題の無い形でね。」
「よろしくお願いします。
えっと北島先生、サッカー部の指導ですが、一般公立中学に於ける部活指導という観点から何人かの学生と助教授でチームを組み、トレーニング内容など検討したいのですが如何でしょうか。」
「それは助かる、でも夏休みまでに完成出来るのかな?」
「可能なら何年か継続的にと、体育の教員を目指してる連中もいますし、助教授は平凡な公立中学での指導という事に興味が有る方です。」
「サッカー部だけなの?」
「他の部活も視野に入れています、柔道とか剣道とかはすでに指導が入っていますし。」
「ほんとは練習全部をお任せしたい所だけど、責任問題も有るからね。」
「柔道部に来てくれてる清瀬くんは、私じゃ絶対かなわないレベルなんだけど。」
「彼は自分が怪我に泣いた事も有って、かなり考えて指導してるそうです、将来的に柔道の指導者を目指していますし。」
「強面なのに何か人気が有るんだよ、女子にも。」
「ええ聞いてます、ここで初めて会ったという女子大生達も狙ってますよ。」
「はは、そうなんだ、とりあえずサッカー部の話は進めてくれるかな。」
「はい、よろしくお願いします。
あっ、西田先生もいらっしゃいましたか、一度中学の歴史の授業を見学したいという助教授が居るのですがお願いできませんか?」
「私の授業を見学しても参考にはならんと思うが。」
「いえ、ごく普通の授業を見て今後の参考にとの事です、もちろん教頭先生の許可は頂いています。」
「…、という事は断れないという事か…。」
「よろしくお願いします。」
「立岡くん、調査の方は順調に進んでいるのかい?」
「はい、色々な観点から、差し障りのない事に関しては結果をまとめて報告させて頂きます。」
「君達が来始める前とはずいぶん雰囲気が違っているから、普段の姿は見れてないと思うが。」
「それも計算に入っています。」
「そうか、何にしても助かってるからよろしくな。」
「はい。」
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