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新年度-04 [チーム桜-07]

桜総合学園制作部オフィス。

「遠藤社長、社長交代の予定はどうなりますか?」
「時期は安藤社長に任せて有ります、社長交代しても自分は桜総合学園担当として動いていきますから特に急ぐ必要もないです、とりあえず幹部が三人増えたという事ですよ、佐藤さんの目から見て、お三方は如何です?」
「良い人を紹介して貰いましたね、三人のバランスが良くて私も動き易いです。
基本的な引継ぎはほとんど済んでいますし、細かい事はこちらに任せて頂けるそうで、余裕が出てきたら少しずつ改善の余地がないか検討して頂きます。」

「遠藤社長、一話完結のドラマなんですけど芸能部メンバーのみの出演、CMなしの代わりにスポンサー企業を登場させるという案に、二社が興味を示してくれてます、踏み込んだ話まで行きますか?」
「榊原さん、扱ってる商品は?」
「一社は秋に発売するプリンターに合わせて、もう一社はヘアーカラーで特に新商品という事ではないそうです。」
「杉原さ~ん! ちょっとよろしいですか?」
「はい。」

「実験的に単話ドラマ作品を二本作成します、ストーリーは条件を提示してチーム桜から募集しますが、スポンサーの意に沿えるだけのものがなかったら、自分が書くか、他を当たります。
そこから脚本を完成させて六月くらいには試作という形でクライアントに見て頂ける所まで、一本は秋に発売の商品に合わせてですから余裕はないと思います、そのまま使えるレベルまでには仕上げておきたいのですが。」
「脚本が出来上がった段階でオーデションですか?」
「登場人物像が固まった時点で行いましょう、芸能部とその予備軍のみで行いますから簡単に行けると思います。」
「でも、作品がボツになる可能性も有るのですよね、セットとか組んでも予算的に大丈夫なんですか?」
「セットはいらないです、撮影は全部クライアントの会社中心に行い社名をそのまま出しますから小細工は最低限で済みます、小物は桜根製品で有る程度カバーできるし、エキストラが必要になったら、そこの社員の方にお願いすれば済みます。」
「なる程そういう形で撮影をするとクライアントサイドにもOKを出して貰いやすいですね。」
「後は、佐紀や佐々木、安藤、桜子にもちょい役を頼んで、主役の一人は知名度的に裕子で行きたいです。」
「放送がこのエリアなら、それなりの視聴率になりそうですよね。」
「そこまで甘いとは思ってませんが、無名の新人ばかりの実験的ドラマと宣伝すればどうでしょうか、で、もう一つの隠し玉として、ちょっと微妙ですけど、落ち目のバンドや芸人が芸能部入りを打診してきていまして。」
「あっ、埼玉の成果ですね。」
「チーム桜を利用したいという事でしょうね、オーデションをして再生の可能性が有れば受けたいと思っています、全くの素人ではないですし、うちのメンバーよりは知名度が有りますから、ドラマでは、ちょい役にしますが。」
「私は、クライアントとの調整、テレビ局との調整ということでしょうか?」
「杉原さんが直接動くのは、大きな部分で人の繋がりを築く事です、細かい事は社員がやってくれますので、上の立場から見守って下さい。」
「は、はい。」
「テレビ局サイドへの打診は、どのタイミングで行えば良いのですか?」
「今お話しした内容をスポンサーサイドに伝えてゴーサインを頂いたら、クライアントの意向に沿ってすぐにでもお願いします。」
「名古屋の局に関してはたぶん問題なく…、どこの局で放送するかで若干揉めるかもしれませんが何とかなると思います、他県の放送局に関してはクライアント次第ですが…、今までもCMを任せて頂いてる桜根サポート企業ですから…、良い作品が出来たら安藤社長にも色々…、う~ん、桜根副社長になったら自分で何とかしなくてはならないレベルですね、自分も動きますから皆さんも、お願いします。」
「ストーリーの条件は、スポンサー企業を話の舞台にする事、そこの商品をPRとなりますからハッピーエンドの明るい話が良いですよね。
でも、内容的に再放送のチャンスが少なくなるのが残念な気もします。」
「再放送時には、編集し直して紹介する商品を入れ替え易くするという指示も出して下さい。」
「それも実験的な取り組みなんですね、クライアントにも伝えます。」
「同じ作品が違った形で放送されるのも話題性が有って面白いです。」
「ただ作品の出来が良く無かったらだめだし、クライアントのイメージダウンになる様なシーンは一秒でも流したらアウトだから、現場サイドにも緊張感を持って取り組む様に指示をお願いします。」
「はい、ただ、今まで本格的なドラマは撮って来てないですから、現場のメインは誰にお願いしますか?」
「すぐに情報を流し、やりたい人は手を上げてって言えば、何本も手が上がりますよ、その連中の作品を見て決めましょう、二本作りますから、二人が競う事になって面白いかも、メイキング映像を編集してドキュメンタリー番組も作りましょう、ドキュメンタリーはうちの得意分野ですからね。
まあ、ドラマがボツになっても、社名を隠したドキュメンタリーなら問題なく放送して貰えると思います。」
「同時に撮影となると、機材やスタッフは大丈夫ですか?」
「映画じゃないし連続ドラマでもないから、撮影に長期間かける訳では有りません、プリンターを優先的に撮影してからヘアカラーで良いです、現場撮影スタッフは一チームでメイキング映像まで行けます。
編集も今後を考えたら、だらだら長時間とは行きません、将来映画制作とかになったら違って来るのでしょうが、今はテレビ向けの番組制作ですからね。」
「とりあえず経験を積む意味で、私も動いてみたいと思いますがよろしいですか?」
「はい、杉原さんお願いします、今後も制作スタート前の判断を色々経験して頂きたいですから。」
「分かりました、すぐに調整をして指示を出します。」
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