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卒業旅行-15 [チーム桜-06]

東北ではまだチーム桜も大きな広がりを見せていない、それでも本体より先に現地入りしている桜根社員達は動き始めていた。

「すいません、こんなとこまで来て頂いて、福岡と比べると全然盛り上がっていないのですが。」
「いえ、その方がじっくりスタート出来ますから、九州支社はペースが早すぎてあちこち大変な思いをしてましてね。」
「まだ協力者の少ない仙台に支社設立という事ですが、うまく行くのでしょうか。」
「うちの通販を取り仕切っている会社の支社をメインに始める予定です、システムは本社で一括管理しますが、業務提携や出荷作業の調整などをここで行います、通販に乗せ易い、もちろん品質の良い産物を扱わさせて頂きます、関東以西では結構売り上げが伸びていますので、すでに通販事業をされてる事業者にとってもプラスになると思います、物が良ければ安売りしなくても売れてますから。」
「徹底的に品質にこだわってみえるとか。」
「はい、こだわりがないと他の通販と同じです、差別化しないと伸びません、Team SAKURAは良質な商品の証しなんです、通販で様子を見てからTeam SAKURA直販店でも扱って行きます。」
「では、私としてはそんな質の良い商品を取り扱っている会社を紹介させて頂けば良いのですね。」
「お願いします、株式会社桜根仙台支社設立準備室を立ち上げます、その前に本社での研修をお願いしたいのですが如何でしょうか。」
「大丈夫です、私自身桜根本社の雰囲気を味わってみたいと思っていましたから。」
「それでは…。」

「東北は大災害が起こらなかったとしても、あちこちで過疎化が進んでいました、何か策は有りますか?」
「正直まだ模索中です、愛知県内の過疎地で会社を立ち上げましたが、チーム桜の協力者が多くて安定しているものの、実際の所バックアップがなかったらかなりきつい状況です。
ただ、バックアップが有ればと考えた時…、この地における不透明な国の資金の流れってどう思われます。」
「良く分からないですね、ほんとに、一気に建設コストが上がってしまったという事情は有るとは思いますが…。」
「その辺りの所を徹底解明することは不可能でしょうか。」
「う~ん、難しくてもやらなければならないですよね。」
「お金の流れに問題が有るのなら、役人の言い分に問題が有るのなら、そこを突いて国民の税金を正しく有効に使う事を、全国のチーム桜メンバーと共に考えて行けば、本当にこの地の為になる資金として生かせないかと思うのです。
チーム桜の社員として働いて頂けないでしょうか。」
「えっ? ボランティアではないのですか?」
「チーム桜としての収入も有りますから桜根と同程度の給料になります、じっくり取り組んで頂きたいのです、将来的には桜根関連への転職も可能です、これまでに頂いたレポートから佐々木代表と安藤社長の指示でお話をさせて頂いています。」
「ならばお受けせざるを得ませんね。」

「自分の会社はほんとに小さくて、社員に給料を払うとほとんど残らないレベルなんですけど、それでも桜根傘下って可能なんですか?」
「そうですね、会社の経営状況を精査させて頂きますが、そこで問題がなければ規模も小さいですから比較的早くゴーサインが出せるかもしれません。」
「大丈夫ですか。」
「扱っておられる商品の質が良ければです、後、売り上げが伸びた時、社長さんの給料は業績に応じてどんどん上がる訳ではないという事を分かって頂けますか。」
「はい、今はぎりぎりですから…。」
「桜根傘下に入るという事は、社長も含めた全員の給料を安定化させるという事を目標にしています。
ですから、立て直しが進んでも、社長の桜根に対する貢献度が低ければ、部長クラスの収入の方が上、という事も有ります。」
「その辺りは理解しているつもりです、私自身オーナー社長から雇われ社長、実績を上げる事が出来なければ、手元に残るのは桜根の株ぐらいと承知しています、でもチーム桜の皆さんのお力をお借りしてでも、もう一度やり直したいと思っています、よろしくお願いします。」
「分かりました、社長のそのお気持ちが有ればきっと大丈夫でしょう、さて…。」
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