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卒業旅行-12 [チーム桜-06]

緊張した面持の女性一人と男性二人は制作部次期社長候補達、安藤と話している。

「桜総合学園制作部の事は色々調べて下さったとお聞きしていますが如何ですか。」
「はい、とても魅力的な会社です、学生が関わってる事で活気が有りますし。」
「私は、会社の規模などから自分の力が生かせると思っています、ただ社長でなくともOKと伺いましたから、社長は若い方にお願いして、裏を支える立場になりたいと思っています、如何でしょうか。」
「それは問題ないです、須藤さんの経験を生かして下されば必ず社にとってプラスになると思います。」
「自分も社長にこだわっていません、桜根傘下の優良企業で働く事が出来れば…、作品も色々見させて頂きましたが有名人を使わなくてもこれだけの作品を制作出来るという事に感動しました、ぜひ働かせて下さい。」
「有難うございます、遠藤からは幹部が足りてないという話を聞いておりますので、出来ればお三方とも幹部として入社して頂きたいと考えておりますが如何でしょうか。」
三人ともにうなずく。
「社長は三人で相談して決めて頂けますか、残りの方の役職は遠藤と事務方社員と共に調整して下さい。」
目を見合わせる三人。
「自分達で決めてよろしいんですか?」
「はい、逆に決める事が出来ないと私は不安になるのですが、まずはお互いの事を知って下さい、お三方に大切な会社を預けさせて頂く訳ですから。」
「では少々お時間を頂けますか?」
「どうぞ。」

三人は席を移動、そこへ。

「安藤、仙台と盛岡からの情報をそっちのノートパソコンへ送ったからな。」
「おう、どうだ行けそうか、佐々木?」
「まだ微妙だけど、色々動いてくれるそうだよ、奨学金の話の方も良い反応が返って来てるからな。」
「ごめんな仕事増やしちゃって。」
「何、大した事ないさ、というよりチーム桜として進めて行くべき事だと思ってる。」
「そう言ってくれると助かるよ。」

「社長、一応現時点で入ってる報告の内重要度の高い物だけまとめてノートの方へ送りました。
その内の三件は社長の判断を仰ぎたいという案件です。」
「分かったすぐ見るよ。」
「隆二、パソコン立ち上げたわ。」
「うん…、あ~、やっぱり下請けは厳しいな。」
「ここは設備的に応用がきくんでしょ、うちと関連の薄い関係企業とは縁を切っても良いんじゃないかしら。」
「そうだな、でも単純に切るのではなく一度相手企業担当に会いに行きたいね。」
「分かったわ、秘書室へ連絡入れておく。」
「うん、他の二件は大川さんがいた部署からだな、さすがに部長が抜ける事になってびびってるのか。
う~ん、体制が整うまではフォローするか。」
「どうするの?」
「まあメールを二本送れば済むだろう。」

社長候補達が戻る。

「安藤社長よろしいでしょうか。」
「はい。」
「私が社長としての責務を負わさせて頂く方向で話がまとまりました。」
「分かりました、杉原さんよろしくお願いします。」
「ただ、須藤も榊原も私と同等の責任を持って働いて行きたいと考えています。」
「お願いします、榊原さん、杉原さんを選んだポイントは何ですか。」
「はい、ここに来るまでの道中も三人で話していました、正直スキルは須藤さんが一番だと思います、杉原さんと自分は得意分野に差こそ有れ、能力的に大きな差は無いと感じました。
ただ、桜根傘下を見ても女性社長は少ないと感じています。
ここは杉原さんを表に出して、須藤さんと自分で全力の後押しをしていこうとなりました。」
「分かりました、佐紀、遠藤を呼んでくれるか。」
「はい。」
「後は遠藤と相談して下さい、この旅行はまだ続きますが、引継ぎは早急に進めて行きたいのです、皆さん今後の予定は如何ですか?」
「明日、いえ今日から動きたいです、遠藤社長と打ち合わせをしたら、そうですね三人は旅行に同行させて頂く者と本社での引継ぎを始める者に分かれて、もちろん連絡を取り合いながらですが、如何でしょうか?」
「はい、ただ無理だけはなさらぬ様お願いします、勝手にサービス残業をしたがる社員も多いので気をつけて下さい、全社的に残業は正規のも最低限に抑えてゼロを目指す、サービス残業は絶対禁止の方向でお願いします、役員もそのお手本となって欲しいです。
あっ、今は旅行中の変則勤務ですけどね。」
「分かりました、でも…、とっても働きたいのですが…、社長もずいぶん休みなくと。」
「自分は大学の卒論とか有りましたからね。」
「そうなんですか…?」
「遠藤、自分の方はOKだから、後の引継ぎとかの調整頼むな。」
「ああ、えっとお三方にはまだ紹介してませんでしたが、こちらの佐藤が、うちの事務方をまとめてくれています、五人で話をしましょう。」
「はい。」
「知らない内に佐藤さんまで呼んでいたのか。」
「佐藤さんがいれば話が早いだろ。」
「だな、佐藤さん、ちゃんと観光もして行って下さね。」
「安藤社長有難うございます。」
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