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卒業旅行-07 [チーム桜-05]

三日目、佐々木や遠藤達は観光の予定だが。

「安藤は放送局の社長と懇談か?」
「ああ日曜日なのに会って下さる事になった。」
「芸能部は演奏会だから、少し寂しいよな。」
「なら、見に行くか遠藤、今日はポップス系が中心だろ。」
「行くと仕事になってしまうから、今日ぐらいはのんびりしようぜ、うん? 他は吉田だけ?」
「いえ、こちらの古賀さんが案内して下さいます。」
「よろしくお願いします。」
「なら安心だな。」
「安藤社長達は観光の時間減ってしまいましたね。」
「山根さん、気にしなくて良いよ、それより向こうの社長に申し訳ないよな。」
「大丈夫です、先方も会いたがってたそうです、じゃがいも社長に、佐々木代表達は時間の関係で社長とはお会い出来なかったそうですから。」
「あれっ? こっちは同行者多くない?」
「あっ、大丈夫です先方も了承して下さってますから。」
「そういう意味じゃなくてさ。」
「自分は観光より仕事に興味が有るんです、桜根社員達が大社長と語る安藤社長が、局の社長とどんなお話をされるのか楽しみです。」
「早瀬常務のガードも必要ですし。」
「テレビ局の中も興味が有るじゃないですか。」
「隆二、気にしなくて良いのよ、佐々木くん達は少人数で動きたいだろうし、でも佐々木くんも遠藤くんも夕食への遅刻は厳禁よ。」
「は~い、さあ古賀さん、まずはどこから?」
「遠藤社長はどんな所に興味がお有りで…。」

一行は二組に別れる。
移動中、安藤達の車中。

「佐紀、昨日のグッズの売り上げはどうだった?」
「二日間では絶対売り切れない量を確保したつもりが、今日は売り切れ続出かもって報告が入ったわ、新作を色々用意したのが良かったのかな。
売り切れたら御免なさいと告知した効果で、買い急いだ方が多かったのかもしれないけど。」
「グッズが売れると安心だな、チーム桜ブランドの商品も買って頂けそうだ、ここでも予定通りにTeam SAKURA直販店をオープンしても問題ないな。」
「そうね。」
「早瀬常務、グッズが売れてるのは聞いてましたけど他も売れてるのですか?」
「ええ、山根さん、名古屋の店も通販も大盛況よ、Team SAKURAは良質な物にしか付けられない、もし不具合が有った場合は徹底的に調査するといった姿勢が受け入れられて来てるし、さらなる改良案やこんな製品が欲しいといった要望にも応えてるの、Team SAKURA直販店も様子を見ながら店舗を増やして行く方向よ。」
「全部桜根傘下やサポート企業の製品なんですね。」
「ええ、サポート企業の製品の場合でも安物は扱わず、販売元Team SAKURAとして他の製品と差別化を図って頂いてるわ。」
「私まだ行って無かったんです、この旅行から帰ったら行ってみます、じゃがいも社長グッズも有りますか?」
「もちろんよ、じゃがいも社長グッズの人気は根強いから、まあ種類も多いから全部売り切れという事はないと思うわよ、ね~、隆二。」
「そ、そうか…、そうそう昨日の九州支社設立の発表を受けて、各地で支社設立を望む声が高まっているそうだ。」
「すぐに支社は無理でも準備室や出張所ぐらいは立ち上げていくべきかもね。」
「そうだな、準備室兼グッズ販売店でも良いし、検討して貰う様にメールを入れとくよ。」

「佐紀、広報担当として何か現時点での考えは有る?」
「そうね、遠藤くんとも相談して、桜根拡大は大きく宣伝していくけど…、もちろんお金は掛けないわよ…、でさ、遠藤くん絶対色々考えてると思うの。」
「だな今までフォローが足りなかったと思っているよ、ずいぶん社員を増やして売り上げも上がって来てるから、彼が十二分に動ける体制を作って行くつもりだ、新社長達とね。」
「ねえ、桜根本社の副社長兼総合プロデューサーという立場になって貰って、主に桜総合学園を見て貰うってどうかな?」
「あっ、そうだな、それなら親会社の役員に昇進するという事になって降格人事とならずに済む、対外的イメージを落とす事なく行けるな、後で遠藤と相談するよ。」

「しばらくは拡大路線だけど、どこかでペースが落ちるでしょ、その見極めって難しくない。」
「ああ、その問題は幹部達と共有してるよ、今は桜根傘下がチーム桜メンバーの目に届く範囲だけど、この先何時かは弱くなりかねない、気を付けていないと一旦持ち直した会社がまた業績低下となったり、手を広げ過ぎて実績を上げられなくなってもいけない、バランスを取って進めて行かないとね。」
「バランス感覚って事ね、でも会社が大きくなると大変ね。」
「組織に問題が発生した所から崩れるという認識を持つ様にお願いはしてるが…、今の勢いを考えると気が緩みかねない、幹部だけでなく全社員にお願いするべきかもな。」
「そうね、桜根傘下の社員達は分かって下さると思う、全社レベルでバランス感覚を持てたら、かなり余裕が出来ると思うわ。」
「先回の全社員向けアピールは大川さんが動いて下さって、良い反響が有ったけど。」
「今回は私が動こうか、隆二の負担は最低限にするから。」
「助かるけど、無理はするなよ。」
「ええ大丈夫、ふふ、私が疲れた顔してたら隆二の負担になるって言われてるの、私の心配じゃなく隆二の心配ってとこがなんか悔しいんですけど。」
「はは、確かに佐紀には何時も余裕を持って働いていて欲しいと思うよ、佐紀じゃなくても自分の回りに余裕のない社員はいて欲しくないからね。」
「うん、余裕のない社員が増えたら伸びない会社になるのよね。」
「どう考えてもそうだろ。」

「社長着きました。」
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