SSブログ

お祭り-08 [チーム桜-02]

商店街。
お祭りだからもちろん食べ物が売られたりもしているが。

「なあ気付いたか?」
「何を?」
「ごみさ。」
「ごみ? そんなに…、いや落ちてないな。」
「スタッフにごみの処理が分かり易いよう表示してあるからか、これだけの人数が色々飲食してるのにごみ置き場が整然としているだろ。」
「確かにそうだな。」
「見てると来場者の皆さんが整理して下さってるだけでなく、ほら溜まったら持ってく場所も表示してあるからか、どう見てもスタッフじゃ無いような方が運んで下さってる。」
「あっ、ほんとだ俺手伝ってくるよ。」
「俺も行くよ。」

「有難うございます、自分代ります。」
「はは気にするな、わしもチーム桜の一員だからな、気分も良いし。」
「気分が良いって?」
「ほら、ごみがきちんと整理されている、これはリサイクルだろ、可燃ごみを極力減らす工夫もしてるし、何よりもどう見たってスタッフじゃない連中が自然に整理してる。
チーム桜の仲間たちがモラルを守る人達ばかりだからじゃないのか?」
「そうですよね。」
「モラルを守れる連中がまだこんなにも大勢いるんだぞ、これが嬉しくない訳がないだろう。」
「そうかモラリストばかりの集まり、チーム桜の方向性って他人を思いやる気持ち…。」
「佐々木代表や安藤社長が、まず仲間になって欲しいって語ってた…。」
「若者達が立ち上がってくれたんだ、わしらがんばらんとって気分に、どうじゃお主等から見て、先頭に立っとる奴等は。」
「すごい人物だと思います、きっと良い方向に自分達を導いて…、じゃなかった自分も仲間として支えて行きたい存在です。」
「よし、お主等はここのスタッフなのか?」
「はい、ただ自分達の責任部分は終えまして、後は片付けを手伝おうかと思ってた所です。」
「ならば多少の時間は有るのか、良かったらこの年寄りに付き合ってはくれんか。」
「はい大丈夫です、自分もチーム桜の仲間と交流したかったですし。」

「わしは今時の若者がこんなに参加するとは思ってなかったんじゃ。」
「そうですか、でも多くの大学から集まっていますから、一つの大学からの参加率は決して高くないんです。
もちろん大学によってばらつきは有りますが。」
「なるほど冷静に見てるんじゃな、ではチーム桜は成功すると思うか?」
「思うというより、成功させたいという気持ちが強いです。
佐々木代表や安藤社長達が動いてくれなかったら、サポート企業の協力がなかったら、始まらなかったでしょうし、そして橋本裕子さんや滝沢桜子がいなかったらこんなに早くは進まなかったと思うのです。
いくら個人が仲間作りと考えても、宗教も政治も関係せず、個人の欲得を目的としない活動なんて無理だと思います。」
「確かにそうだな、でもいずれは政治にも目を向けて欲しいとは思うがな。」
「はい、そういう声は上がっています、党利党略私利私欲の政党では明るい未来は見えてこないと言ってる人もいまして。」
「だな。」
「政治に参加する時は既存の政党に乗っかるのではなく我々の政党を立ち上げるべきだということで、研究を始めてる連中もいます。」
「うん、これからの世の中は若いもんが作ってかないかんからな。」
「大人の目から見てチーム桜はいかがですか? まだ未熟な学生が中心ですけど。」
「真面目にやっていれば結果も出てくるじゃろうな。
視点を高く持って…、あれは安藤社長の言葉じゃったか、ほら、家族が大切、学校や会社の仲間も大切だけど同じ町に住む人、同じ国に住む人達だって大切な仲間、そしてって…、学生の口から出て来る様な言葉じゃないぞ。」
「ですよね、そしてそれを少しずつでも形にして行きたいって、自分達も桜根関連で働いて手伝って行きたいと考えています。」
「よし、じゃあわしは桜根の株主にでもなるかな。」
「あっ、有難う御座います。」
「どうじゃ配当は。」
「告知させて頂いてる通りすぐには難しいかもしれませんが、桜根関連の皆さんがんばっておられますから…。」
「はは、配当なんてどうだってええわい。
でも一度は安藤社長と話しをしてみたいもんじゃな。」
「ですよね。」
「どうじゃ一億ぐらい出資したら会ってくれるじゃろか?」
「えっ、それって真面目な話しですか?」
「もちろん、足りんかったら二億でも構わんが。」
「ほんとに真面目な話しだったら、すぐ連絡を入れますが…。」
「疑い深い奴じゃな、ほら名刺。」

「えっ、今すぐ連絡します…、えっと誰に…。」
「幸三先輩に取り次いで貰えば良いんじゃないか。」
「ああ、そうだな…。」

コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0