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お祭り-01 [チーム桜-02]

話しは四月の終わり、お祭り当日に戻る。

「幸三くん、いよいよね。」
「準備にぬかりは無い筈、結構保険もかけたつもりだけど、結果は始まってみないとな。
理子の所にはずいぶんお世話になったけど、中田社長は来て下さるのか?」
「ええ、もちろんよ、ふふ、幸三くんの用意周到さには驚いていたけどね。」
「失敗したくないからね。」
「あっ地下鉄駅前からの連絡だ。」
『幸三、サプライズ出場はすべて映像のみだ、今まで頑張ってくれてたからメインスタッフには今日ぐらいゆっくりして貰ってくれ、現時点での来場者ペースだと、彼等が現場に姿を現したらパニックになる、会場分散化も早めに始めた方が良い。
緊急応援要請も必要だと思う。』
「来場者が基準値を突破したみたいだな。
真面目な内容も少なくないから、ちょっと予想外だな。」
「来場者数が増えてるんですね、ならば私は会場分散化Aへ動きます。」
「任せたよ、俺も佐々木代表とライブ中継チームに連絡を取ってから分散化Bへの指示を始めるよ、理子頼むな。」
「はい、また後で。」
「おう。」

幸三からの連絡を受けた佐々木は中田社長宅にいた。

「今回俺たちの出番は映像のみになるそうだ、緊急応援要請まで必要になるとは予想以上だな。」
「大勢の仲間が来て下さって嬉しいけど、お祭りに参加出来ないのはちょっと残念だわ。」
「桜子が突然現れたらパニックになりかねないということだから諦めてくれな。」
「遠藤、緊急応援要請をネットのライブ中継で流してくれるか。」
「了解だ、すぐ指示を出すよ、備え有れば憂いなしって事だな。」
「かなり余裕が有ると思ってたが、嬉しい誤算だな。」
「だよな娯楽系はそんなに多くないって情報も伝えたのにな。」
「チーム桜の事を真面目に受け止めて下さった方ばかりなら問題ないと思うが…。」

「中田社長、このテレビにちょっと接続してもよろしいですか。」
「構わんよ、皆今日はのんびりしてってな、私は祭りの方へ行って来るけど。」
「え~、い~な~、社長が行ってもパニックにならないんですか~。」
「はは裕子さんとは違うよ、家内と理子は現場でがんばってるけど、長女の瑠璃と三女の麗華がおもてなししたいと言ってるからよろしくな。」
「あっ、瑠璃さん私手伝いますよ。」
「ふふ理子憧れの安藤さん、その心を射止めた佐紀さんと仲良くしてたら理子に恨まれそうですから。」
「姉ちゃん、でも理子姉はちゃっかり幸三さんと仲良くなってるみたいだから大丈夫じゃない。」
「はは、そうだったわね、おっとりしてるのに、あの子…、でも佐紀さんも普段忙しくしてみえるのですから、今日ぐらいはのんびりしてて下さいね。」
「はい、有難う御座います。」
「メールが入った、オリジナルグッズはすごい勢いで売れてるそうだ。」
「みたいだな、ほら映像見てみろよ。」
「すごいな、でも整然と並んで、うんスムーズに流れてる。」
「ライブ中継で販売の流れをしっかり紹介してるからな。」
「ここに佐紀達が現れたら間違いなくパニックになる、でも俺なら大丈夫だよな。
あっ、担当から続報のメールだ…。」
「なんて?」
「それが…。」
「見せろよ…。
おっ、じゃがいも社長と美女とじゃがいもがバカ売れだってさ。
鈴木社長には連絡済ですって。」
「隆二の反対を押し切って多めに用意したんだったよな。」
「なんかなぁ~、まあ売り上げに貢献してるなら良いか…。」
「隆二が行ってもパニックになるぞ、あのじゃがいも社長、どうみたって隆二じゃん。」
「ははは。」

「遠藤、他のとこはどうなんだ?」
「ああ、じゃあ他を映す様に指示を出すよ。」

「確かに、商店街だけでは無理が有りそうだな。」
「おっ誘導が始まってるみたいだ。」
「さっきライブ中継でも情報を流したからな、中継を見てる人が周りの人に声を掛けてくれてたという報告も来てるよ。」
「公園や小学校を抑えておいたのは正解だったな。」
「ほんとに幸三は良く考えてくれてるよ、来場者が少なかったら商店街だけで開催、桜子達のサプライズライブで人を呼び込む。
まあ、これは有り得ない状況になったけどな。
多かったら学区内全域を会場にするぐらいの感覚で広げる、さらにネットのライブ中継などで情報を流して混乱を避ける。
俺の所は始めから番組を作る予定だったから、すごく手間が増えたという訳ではないし。」
「遠藤、公園の方は見れるか?」
「ああ、さっき指示は出しといたからもうすぐ切り替わると思う…。
なあ佐々木の挨拶とかは何時頃からにする?
早めに告知しておきたいんだ。」
「一回目を十二時ぐらいにして十五分ぐらい、それを十三時、十四時とかでどうかな。」
「OK、それで連絡入れるよ。」

「画面は公園に切り替わった…、おっ、第一歩は成功みたいだな。」
「うん、仲間と出会う場、祭りのメインテーマを皆さん理解して下さってる。」
「にこやかに談笑したり握手したり。」
「オリジナルグッズを手にしてる方も多いな。」
「車椅子の方のにこやかな表情…。」
「おっ、インタビューするみたいだな。」
「了承して下さった様だ。」
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