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モデル地区-04 [チーム桜-01]

二月始めモデル地区内の商店街を訪れたのは佐々木、遠藤、広田幸三の他、商店街活用プロジェクトスタッフや撮影スタッフ、そして橋本裕子だ。

「幸三達で店舗の候補上げておいて貰ったけど感触はどうだった?」
「まずまずですよ、ただ隆二に筋は通しておきたいって言われて。」
「俺が来た事を気にしてるなら、その必要はないぞ、今は俺が適任だと思ってるからな。
隆二も来たがってたけど、あいつは半端なく忙しいし、名前と顔はまだあまり知られてないから。」
「一件目はここです、ここはオリジナルグッズのショップ候補です。
声を掛けてきますから少し待ってて下さい。」

幸三は横の路地を通り抜け、奥の家へ入って行った。
しばらくして老夫婦と共に戻って来る。
佐々木が中心となり、紹介や挨拶が済んだところで。

「ほんとに、こんなとこ使ってくれるのかい。」
「ええ、作りもしっかりしてますし、改装工事をやりたがってる学生の手に掛かれば築何年かなんて分からなくなりますよ。」
「そうかい、そりゃあ楽しみじゃな。」
「ちょっと派手になってしまうかも知れませんが。」
「若い子等の良い様にやったらええわい、新聞屋の武も褒めておった、若い学生達が真面目にやってるってな。」
「有難う御座います。」
「家賃はどうでしょう?」
「うん、あれからこれとも相談してな、固定資産税と孫のおやつ代ぐらいで…。」
金額を書いた紙を見せられる佐々木。
「ええ、これだけの広さなら妥当な…、あれっ? 佐藤さん月額ですよね、年って書いて有りますけど。」
「一年でこれだけあったら充分、年金頂いてるし生活に困っとらんからな。」
「どうしよう?」
「佐々木さん、武さんと相談してしてみます、少々お待ちを。」
電話をかける幸三。
話しが終わると。
「佐々木さん、大丈夫だそうです、武さんの方で息子さんの了解も得てるとの事です。」
「では御好意をずうずうしく受けさせて頂きます、よろしくお願いします。
近い内に担当者が契約書を持って幸三と一緒に伺いますのでよろしくお願いします。」
「そんなに堅苦しくなくてもええぞ。」
「いえ、契約書の作成も学生の実習の一つですから。」
「ほ~、そうか…。」

二件目も三件目も同様に済んだ。

「家賃が当初予測の十分の一ぐらいか…、裕子ちゃんがテレビ取材と一緒に現れたら交渉有利かもって思ってたけど、なんか恥ずかしいな。」
「でも、皆さん佐々木さんと裕子さんに会えて喜んでらしたから。」
「後は、ご近所の挨拶回りかな。」
「今商店街活用プロジェクトのスタッフが回ってます、佐々木さんや裕子さんと会いたいという人がいれば、ここから商店街西口まで歩く間に出て来て下さいますよ。」
「武さんの新聞屋さんは近いの?」
「西口の近くです。」
「お礼をしにいかなきゃな。」

西口まではずいぶん時間が掛かった、握手を求められたり、写真撮影、また質問に答えたりと。
武は西口にいた。

「佐々木代表お疲れ様です、新聞屋です。」
「武さん有難う御座いました、家賃の事は思ってもいなかった事で、一瞬思考が止まりました。」
「はは、三件ともうちとの付き合いは長いからね。
幸三君も試験が終わってすぐに訪ねてきてくれたからね、皆結果は大丈夫だったのかな?」
「と、信じてます…。」
「今日は裕子さんか、君の周りは美人ばかりなんだね、早瀬さんにも驚いたけど。」
「彼女は、安藤がタイプみたいですけど。」
「はは、ところで予定通りに進んでるの?」
「はい、ただ学生の試験が終わったばかりなので、これからが勝負です。
ここはどうですか?」
「モデル地区にしてもらって盛り上がり始めてるよ、お互いがんばろうな。」
「はい、今後ともよろしくお願いします。」
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