SSブログ

始まり-07 [俺達の挑戦-03]

遅めの昼食を取りながら。

「安藤社長は今の工場どう立て直すんだい?」
「まずは大掃除ですね、いらない物が作業効率を下げていると感じましたから。」
「だな、それは私も感じていたよ。」
「それから、社長候補も含めて社員募集をします。
現社長には会長となって目を光らせて頂きます。
社員も高齢の方が多いですから、退職される前に新人教育をして貰いましょう。
入社希望が少なかったら学生の実習やアルバイトで繋ぎますが、極力正規雇用で行きたいですね。
質が良くて、うちのオリジナルグッズとなりましたから、利益率も上げることが出来ると思っています。」
「そうだな、売り上げも伸びるだろうし、生産が追いつかなくなる可能性も有るけど。」
「工場で使ってる機械はうちのサポート企業の製品が主でしたから、ちょっと相談に乗って頂いて、古すぎて全く使われてない機械は新製品と入れ替えます。
古い機械ばかりでは若い人にとって魅力ある職場とは言えないでしょうし、先を見据えたら機械の更新は必要ですからね。
資金は銀行と相談しますが、社長は借入に消極的ですから控え目にしたいです。
全株式を桜根が持つと言っても、社長は桜根の株主になる訳ですからね。
不足分は空地の有効利用を考えています。
規模を縮小してきた工場ですから結構な遊休地を所有しています。
きちんと整地して土地を貸せば良い収入源になると思います。
チーム桜関連の小規模な倉庫、工場を誘致するのも有りですね。
こういった事を踏まえて、うちの杉野が学生スタッフと協力して事を進めて行きます。
学生のリーダー松野も新社長の候補です。
杉野と松野は近い内に、そうですね今日の話を整理してから工場見学をお願いします。
松野は、今の所大学卒業までの予定ですが、優秀な子なので短期間でも活躍してくれると思っています。」
「優秀な男たちが集まってる訳なんだな。」
「いえ、松野里香はかわいい女の子ですよ。」
「そうなのか…、あの爺のとこでは勿体ないな。」
「はは、気をつけてないと社長のとこを吸収合併なんて言いだしかねませんよ。
彼女は結構先を見てますからね。」
「やり手なんだ、やはり卒業後は大手か…。」
「いえ、行けると思ったら、そのまま就職という事も考えているそうです。
だめだったとしても桜根関連で働きたいと、大企業よりチーム桜関連で働く方が面白そうだと話してくれました。
自分は桜根の社長を勧めているのですけど、今の所は断られています。」
「桜根の社長って、君はどうするの?」
「自分は特に社長にこだわってる訳じゃないんです、チーム桜がより良い方向に動いてくれるように働ければ良いんで。」
「そういう感覚だから、見栄を張らずに軽自動車か? あれは自分の?」
「母と姉と自分の三人で使ってます、社長になってからは母と姉が気を使ってくれて優先的に使わせて貰ってますが。」
「社長なんだから社有車とかじゃないの?」
「検討中なんです、自分は軽で良いと言ってるのですが、高級車乗ってる方々と同じ立場だったり、時には上の立場になるのだから軽ではだめだそうで、じゃあどんな車が良いかとか、車好きの社員達が色々…、楽しんでるみたいです。」
「はは、決まるまでは時間が掛かりそうだね。」
「桜根が配当を出せるようになったら、ポケットマネーで高級車をプレゼントすると言って下さる方もいるのですが。」
「へ~、太っ腹だね。」
「うちの社員達は、配当を出せないと思って軽い気持ちで言ってるのだろうけど、すぐにでも出してやろうぜって感じで燃えてますよ。」
「短期間で配当が出せたら、爺もびっくりだろうな。」
「社長もグッズ関連で協力お願いしますね。」
「分かってるって、良いものしか出さないを貫けば、売り上げは伸びると思ってるからね。
あっ、もうこんな時間か、次が有るんだったね。」
「はい、今日はほんとに有難う御座いました。」
「送って行かなくて良いの?」
「大丈夫です間もなく迎えが到着しますから、安藤の車は夕方取りに伺います、申し訳ありませんがそれまではお邪魔でしょうがお願いします。」
「早瀬さんからお願いされたら断れないよ。」
「ふふ。」

会計は佐紀が済ませる。
鈴木社長は自分が払うと粘ったが、自分で会社の接待費を使うのが始めてだという隆二の言葉に折れた形だ。
コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0