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始まり-02 [俺達の挑戦-03]

早瀬亮は姉から手渡された、チーム桜、花を咲かせましょうを読み始めた。

『しかし、姉の姿をこの形で見るというのは照れくさいものだな。
姉さん綺麗だ、でもこの衣装って…、そうか学生の手によるもの、ちゃんと名前付きで紹介か、撮影者や他のスタッフも学生がプロの指導の下か…。
姉さんのプロフィールも有る…、あ~弟が一人ってしっかり書かれてしまった…、やばいよな。』

その時携帯が鳴る。

「おう、どうしたメールじゃなく電話って。」
「亮、亮の姉ちゃんだろ、あれ。」
「あれって?」
「とぼけるな、テレビ見たし、チーム桜、花を咲かせましょうを買って来て少し読んだ所だ。」
「ああ、俺もさっき知ったとこだ。」
「なんだ冷静なんだな。」
「いや、驚き過ぎて訳が分からなくなってる。」
「はは、そうか、俺はチーム桜ボランティアスタッフに登録するぞ。」
「えっ? 何? それ。」
「おいおい、桜根の重役候補の弟がそのレベルで大丈夫なのか?」
「いや、ほんとにまだ全然解ってなんだ。」
「大学入ったら佐々木代表のサークル参加を考えていたけど、あっと驚くチーム桜スタートだろ。
自分の興味は動植物園とはちょっと違った所に有ったからな。
それにしても亮の姉ちゃん、一段と綺麗になったよな、よろしく伝えといてくれな。」
「あ、ああ、まだ本を読み始めたばかりだから最後まで読まさせてくれないか。」
「解ったよ、じゃあまたな。」

『やばいぞ、嫌な予感が…。』
その後、メールその他で現実を知る亮。
『あ~、だめだ、すでにしっかり広まってる…、俺の知り合いで知らぬ者はなしか…。』

また電話が。
「亮、俺はチーム桜アルバイトメンバーに登録するからな。」
「ああ。」
「どうした元気がないな。」
「姉がいきなり有名人になるなんて考えたことなかったから…。
しかも自分はまだチーム桜のこと全然解ってなかったりするんだ。」
「お姉さんから教えて貰ってなかったのか?」
「今日聞いた。」
「さすがだな、守秘義務ってことだろ。」
「守秘義務?」
「俺もさっき読んで知ったばかりだけど、色々大人の事情が有るんだぞ。」
「な、なあ、俺ってどうしたら良いと思う、姉には迷惑かけたくないし。」
「なに言ってんだよ、今まで通り真面目にやってればいいんだ、まずは大学が始まるまでに、チーム桜のこと調べてみたらどうだ。」
「ああ…、解った、そうするよ。」
「この件で、とりあえず明日集合かけるけど都合はどうだ?」
「明日は部屋の掃除をしてというくらいのつもりだったから行くよ。」
「じゃあ、亮も参加するという事で連絡するからな。」
「わかった。」
「また後で情報入れるよ。」
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