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架空サークル-83 [俺達の挑戦-02]

安藤隆二が話を続ける。

「支店長はこのエリアで倒産しかかってる会社とか御存じですよね?」
「まあな。」
「その中で倒産させずにがんばって欲しい所も有れば、潰れても仕方ない所とか有りませんか?」
「そうだな、頑張って来たのに運が無くてという所は応援したいとは思う、逆に放漫経営で大して利益も出てないのに見栄を張る様な社長の会社はね。」
「応援したい会社へは追加融資とか即決ですか?」
「はは、そんなことしたら私の首は軽くすっ飛ぶよ。」
「では、その会社のバックに私達の組織が付いたらどうです?」
「はぁ~、そう来たか、当然再生の案とか提示して来るんだろうな…。」
「もちろんです、その前にその会社の状況を調査して、小さくても再生可能な会社かどうかの判断もしますし。」
「そうなってくると…、色々考えることになるな…。」
「隆二、会社設立の話しとかはもうOKなのか?」
「遠藤さんの会社設立までなら大丈夫です。」
「おいおい意味深だな。」
「すいません、色々大人の事情が有りまして。」
「はは、それは学生の発言じゃないぞ。」
「うちは学生中心に立ち上がる会社の株主になる、社員も賛成してくれたからな。」
「学生達は会社まで立ち上げるのか?」
「テレビ番組の制作がメインのな、今まででも情報番組とかで流れてる映像は学生が撮影してたから、もう一歩踏み込んで、という感じだよ。」
「あっ、見た、学生達の撮影風景を局のカメラマンが撮影して紹介してた、でも圭一、利益は出るのか?」
「まあスポンサーがしっかりついているからな、滝沢桜子や橋本裕子といった連中のバックアップも業務内容に含まれるし。」
「そうか、あの子達なら私も個人的に融資したいぐらいだ。」
「支店長、個人的は無しですよ、今は、ただお宅の銀行も協力を検討中らしいからね。
う~ん、隆二が重要なポストについて、支店長がごまをすってる絵が浮かぶなぁ~。」
「中田社長…。」
「佐々木代表自身が、隆二の存在は大きいって色々語ってくれたよ。」
「安藤さん忘れてました、私の名刺です、今後とも宜しくお願いします。」
「はは、圭一、こんなに早くごまをすってる絵が見れるとは思わなかったぞ。」
「よしてくださいよ、まだ動き始めたばかりで何の実績もないのですから。」
「でも隆二さんの企画書に心を動かされている学生は少なくないですよ。
父さん私も手伝うからね。」
「ああ。」
「理子ちゃんが心を動かされたのは隆二のどんなとこなんだい。」
「武さん、それは…。」
「顔が赤いぞ熱があるのか?」
「も~、みなさんお茶で良いですか?」
返事も聞かず、立ち上がる理子。
「圭一、理子ちゃん良い子に育って良かったな。」
「有難う、武。」
「そうか…、真面目な子が真面目な子を引き寄せる、類は友を呼ぶってことなんだな…、うちの子は…。」
「支店長も悩みが有りそうだね、隆二に相談してみたらどうだ?」
「えっ? 悩み事相談もやってるの?」
「お聞きする事は出来ます、解決策を模索することも、但し自分が直接という訳ではなくて我々のメンバーがとなります。
人の抱えている問題をいろいろな視点から考えて行くということも、自分達の取り組みの一つと考えていますから。
もちろん、少しずつですけど。」
「君の考えてる範囲って広すぎじゃないのか?」
「ですよね、考えていたら広がり過ぎてしまって、だからスタートは小さく始めたかったのです。
活動がどう広がって行くかは参加者次第という事にして、肩の力を抜く様に心掛けています。」
「ふむ、至って冷静か、ならば俺は協力するよ安藤隆二、この地域の町内会とかサークルとかに知り合いも多いからな。」
「有難う御座います、心強いです。」

その後も色々な話しが続いたが、予定の時間で終了となった。
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