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架空サークル-79 [俺達の挑戦-01]

株式会社設立に向けての作業は順調に進んでいる。
学生達は役割分担を決めて取り組んだ。
オフィス探しは多少手間取ったものの…。

「何とかオフィスも決まったけど、やはりマスコミの力は大きいよな。」
「だな、五月から色々な形で紹介して貰って来たから、理解の差こそ有れ、俺達のことを全く知らないという人は少なくなった気がする。」
「佐々木代表の本の効果も大きいよ。」
「きちんと読んで下さった方には特に好意的な方が多いみたいだ、お借りすることになったオフィスのオーナーの方もだけどな。」
「この地方で売れてることで、全国的にも注目を集め始めてるらしいぞ。」
「いよいよだな。」
「ああ、動植物園が良い流れになっているから、次のステップもこの勢いで行きたいよな。」
「でも、あせらずに、だろ。」
「うん。」
「会社設立も書類関係とかは順調なんだろ?」
「ああ、書類を作成する者、それをチェックする者、さらに大学の教授にもチェックしていただいたりとかしてるし、オフィスの契約書も含めて公開する準備作業も進めているよ。」
「創立総会は一月か?」
「株主の調整で二月にずれ込むかもしれない。」
「何か問題でも有るのか?」
「問題ということでもなさそうだけど、もうすぐ株主関連で何か発表が有るらしい。」
「早く教えてくれれば良いのにな。」
「色々大人の事情が有るらしいよ。」
「IR関連かな? でも私達のレベルでは関係ないか…。」
「いや、俺達に関係なくても、株主には大きな会社も名乗りを上げているから、情報開示は適正に行われなければだめだろう。」
「あっ、そうかインベスター・リレーションズ、講義でも重要だって…、私もまだ甘いってことか。」
「今回の実習は実際に株式会社が立ち上がって行く過程にも触れるから、すごく勉強になるよな。」
「かなり特殊な事例とは聞かされているけど、一般的な会社と比較も出来る。」
「私達は立ち上げでお手伝いさせて頂いてるけど、その後も継続して係わって行きたいよね。」
「だな。」
「オフィスも十二月から借りることになったから、始めの内はずいぶん赤字になるだろうな~。」
「ああ、人件費も掛かるし…。
他のプロジェクトは寄付という支援によって成り立っているけど、ここはあくまでも独立採算を目指しているから、単なる学生の実習では済まされない。
遠藤社長もプレッシャーが大きいって話してたよ。」
「でしょうね…。」
「少なくとも自分が学生の内は手伝える事は手伝うと伝えたけど。」
「手伝うにしても組織だってやらないと、混乱するだけだぞ。」
「経理面のサポートチームを組むってどうかしら。」
「そうだな、社内の各部門ごとにサーポートチームを組んで…、学生の実習も管理していけたらどうだろう。」
「遠藤社長には番組制作とかに力点を置いて欲しいからな。」
「俺は単位に余裕が有るし、卒論にも生かせそうだから動けるよ。」
「私も大丈夫、でも松井くんはだめよね。」
「え~、そんなこと…、俺だって…。」
「松井は学期末試験で結果を出してからの参加だな。」
「仲間はずれか?」
「今更何言ってんだよ、成績とか考えたらとっくに仲間はずれなんだぞ。」
「サポートしてて留年なんて、遠藤社長の精神的負担にしかならないだろ。」
「そ、そうか…。」

「ちょっと他のメンバーにも相談してみるよ。」
「俺は企画書の作成を始めてみようかな。」
「私も手伝うわ。」
「じゃあ分担決める?」
「そうだね。」
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