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架空サークル-76 [俺達の挑戦-01]

十一月、会社体験実習は色々な成果を上げつつあった。

「各実習のポイントを絞ったのは正解だったな。」
「ああ、実習参加者が漠然とした考えで取り組んでいたらこれだけの成果は得られなかったと思うよ。」
「うん、俺は新入社員教育に重点を置かさせて貰って、四社で実習させて頂いたから…、比較研究も出来たし。」
「田原の新入社員心得はうまくまとまっていたよ。」
「有難う、まだ進行中だけどな、実習させて頂いた企業とは継続的に連絡を取りながら、学生目線の話しもさせて頂いてる、調査部が協力してくれたことは大きかったよ。
今後は別の企業でも体験させて頂きながら、新入社員教育の方向性を研究して、企業側に提案して行きたいと思ってる。」
「田原くん自身の就職はどうなの?」
「ちょっと微妙で…、大学院で研究を続けるかもしれない。
今は、企業サイドの新入社員教育と学生サイドの就職活動を支援出来る体制を構築したいと思ってる。
就職してすぐやめる人、やめざるを得ない人を減らし、すぐやめたにしてもきちんとフォロー出来る体制を作れないかって思いもある、佐々木代表の描く社会作りに俺も役立ちたいんだ。」
「将来的な生活設計は大丈夫なのか?」
「大丈夫とまでは…、まだ言えないけど、実習先の方と話してると色々な雇用問題まで話が広がっていく。
そんな時に俺達の役割の大きさを実感してきた。
色々考えたら自分自身もきちんとした収入を得て結婚し子どもを育ててなかったら、人を説得する立場にはなれないと思っている、まあ俺なりに色々考えている最中さ。」
「覚悟が有って本気で腹を括っているなら、俺達も応援するよ。」
「その為の組織だからな。」
「有難う、正直言ってこのサークルがなかったら思い切ったこと出来ないと思う。」

「私は体験実習先で少しプレシャーなんだけど次への展開に向けて動けそうよ。」
「えっ、どんなこと?」
「実習先は私の専門とは全く違う企業だったけどね、色々教えて頂いたり提案させて頂いたりもして楽しかった、これからも在学中はもちろん、私が就職した後も交流して行きましょうってことになったの。」
「そりゃ、佐紀ちゃん綺麗だからな…、担当者、惚れたな。」
「そんなんじゃなくてね、企業の異業種間交流だったりは佐々木さんも提唱してみえるでしょ。
私が就職を考えている所とそこは異業種だけど、接点が全くないという訳でもなくてね、就職先のお客さんになる可能性が有るのよ。
それと業種が違うからか社員の男女比が大きく違ってね、下請け業者も視野に入れて会社交流の場を構築出来れば少子化問題に貢献できるかもってことなの。」
「まさに会社体験実習の次のステップだな。」
「でも問題があって…、この会社と私の就職希望先のマッチングを自分で進めたら、私にとって就職有利になってしまいそうじゃない?」
「佐紀ちゃんなら有利とか関係ないと思うけどな。」
「それに関してはきちんとした企画書をプロジェクト事務局と関係企業に認めて貰えば良いという事になりそうだよ、相手が民間企業なら法的な問題もないだろうし、もし何かしら問題があるのなら、そっちの方を変えるという方向性だそうだ。
企画書は佐々木代表にも送りなよ。」
「うん、解った有難う。」


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
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