SSブログ

架空サークル-66 [動植物園再生-07]

佐々木たちは、上野との会合前にずいぶん話し合いの場を持った。
色々な意見が出たが上野をはずすことは早い段階で決定。
その後をどうするかが彼らにとって重要なことだった。

「企業サイドと交渉するということは、会社で言う所の営業ということか。」
「個別の案件で営業担当を作るのか?」
「色々なパターンが想定されるよな。」
「各企業の方が負担に感じないシステムにしたいが…。」
「悲しいかな俺達は素人だ。」
「就職先として営業職を考えてる人達向けにセミナーを開いて、その実習的に取り組んで貰ってはどうだろう?」
「そうだな会社体験実習のこともあるし…、あれも進行が早く出来そうだ。」
「まず新獣舎設計プロジェクトで実践しながらでも良くないかな。
すでに進行しているプロジェクトは企業の方との交流が進んでいる訳だし。」
「上野さんに下りて頂くということが他の企業に誤解されないと良いけど。」
「そっちは俺が何とかするよ、すでに五人程の社長に相談に乗って頂いたりしてるからね。」
「さすが佐々木だ。」
「メンバーへはどういう形で発表する?」
「正直にプロジェクトの進行を早める為、新たな実習の場として、で良いんじゃないか、企業サイドへも同様でさ。」
「賛成だ、でさ…、ちょっとずるいかもだけど…。」
「意味深だな。」
「上野氏の態度によってはさ、次回の会議を録音しておいて裏で、あくまでも非公式に流すってどうだ?」
「微妙だな…。」
「彼の性格からしたらメンバーを奮い立たせる様な発言をしてくれそうなんだが。」
「はは、確かに有り得るわね、今まで結構無駄な時間を使わせて下さったのだから良いんじゃないかしら。」
「会議に参加出来る学生は僅かだけど色々秘密裡にしたくない、でも内容的に公式に出来ない、ならば、非公式、裏情報も有りかな…、違法性は?」
「そうだな…、会議中上野氏の名前を一切口にしなければ全く問題ないと思う、それでも心配なら音声に細工すれば良いけど、個人を特定し易い状態でなければ…、もっとも人に聴かれて困る様な発言はする方に問題も…、あっ、始めに録音する旨を伝えて、それを公表する了解までとっておけば公式発表の参考として使っても問題ないですね。」
「なる程、了解までとっておいて非公式なら、こちらも変な誤解を受けずに済むし、違法性もないか。」
「じゃあ録音するからね、何かあったら俺が責任取る、嫌かもしれないけど佐々木は知らなかった事にしてくれないか。」
「えっ、別にそこまで気を使うなよ。」
「いや、佐々木のイメージだけはクリーンにしておきたいんだ。」
「はは、イメージだけか。」
「正直言って、あまりかっこ良くないとは思ってるんだ、こんなやり方。
だけど形の見えてこない新獣舎設計プロジェクトに関係している連中の思いとか考えたら…、すでに佐々木の能力を疑ってる奴もいるみたいで、まずはそんな誤解を解いておきたいし、個人的にはどれぐらいの効果が有るのかに興味も有る。」
「佐々木さん、イメージって大切ですよ。」
「それは分かってるよ、テレビに映る時と言ったら…、女子たちの玩具にされてる気分だが、ちゃんと耐えてる。」
「はは、佐々木のイメージがそのまま俺達のイメージなんだからな。」


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0