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架空サークル-29 [動植物園再生-03]

大川達が園内を回っていた頃、バラ園近くの空き店舗では中山を中心に打ち合わせが行われていた。

「ここの改修作業も来場者の方々に見て頂こうと思うんだ。」
「えっ、中山先輩どういうことなんですか?」
「あっ、俺は企画書見ました。」
「工事と言えば、特にここみたいな公園だったら、極力人に見せない形になると思わないか。」
「そうですね、安全面のことも有るかもしれませんが…。」
「ここでサービス系じゃない人が働いてる姿ってさ、何か微妙じゃない、あ~仕事のこと思い出してしまうって人と、人が働いてる時に遊べる幸せって思う人とかさ。」
「はは、たしかに微妙かも、でも、俺たちはプロでもないし研究の一環だったり実習の一環だったりする訳だからさ、実際にきちんと企画を練って作業を進めているんですって所を、来場者の方々に知っていただくことは大切なことだと思うんだ。」
「そうね、確かに中山君の言う通りね…、ならブログとかの形でも…、記録とか残すべきかも。」
「だけどブログって結構続けるの大変じゃない?」
「新人の中にでも、ライター志望の奴っていないのかな?」
「私たち結構公的な活動だから、私的な物とは価値が違って…、やりたいって人が出て来てもおかしくないと思うわ。」
「文学部系とかに情報流したらどうかしら…、私がやっても良いけどちょっと自信がない…。」
「やっぱウエブ上に格好よく残したいよな、俺たちが考えてること。」
「うん、まずは私たちがここで何をしようとしてるかをパネルにして、来場者の方々に見ていただく。
それと並行してウエブ上にもってことね。」
「俺等の公式サイトはどうなってるのかな?」
「基本的な作業は情報処理系が進めてるみたいだけど、全体の企画の進捗によってデザインの問題とかあるらしい。」
「より閲覧しやすい状態にと考えると、色々難しいでしょうね。」
「ただ卒業制作のつもりで取り組む奴も居るみたいなんだよ。」
「あっ、まともなのプロに頼んだら結構な費用がかかりそう。」
「そこを実習に置き換えられる所が俺たちの強みかもな。」
「そういうことね、ここの改修作業実習はどんな感じになってるの、中山くん。」
「案はほぼ出来上がっている、後は日程調整くらいなんだけど、えっと~、この件は今までサブで動いていてくれた富田に引き継いでもらうつもりなんだ、ちょっと佐々木からあってね。」
「うん。」
「この場に係わる人が多くなりそうなんで、俺はここでの活動のチーフ的立場になろうと思うんだけどどうだろう?」
「自分は聞いてました、組織固めですよね、中山先輩がチーフということに賛成です。」
「そっか、まとめ役は必要ね、反対の人いる?」
「中山くんなら佐々木さんとも近いからいいと思う、自分がやりたいとか反対って人がいなかったら、お願いしたいな。」
「じゃあ、賛成できない人、手を上げてでいいのかな。」
反対の者はいなかった。
「おっけいということで中山くん頼むね。」
「おう、がんばるよ、じゃここの改修作業の流れを説明させてもらうよ、富田は確認してくれな、次回からはこんなことも任せるからさ。」
「了解しました、中山チーフ。」
「はは。」

中山は少し照れた様に笑った。


花ワールド-hirata
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