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架空サークル-20 [動植物園再生-02]

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佐々木は舞台前に集まった女学生たちの質問に応えていた。

「私は文学部なんですけど、動植物園での活動とは関係性薄いですよね?」
「そんなことありません、万葉集でも花を詠んだもの色々有りますし、小説の中でも植物は登場しませんか?
あなたの興味のある文学と動植物との接点を考えてみるのも楽しいかもしれませんよ。
創作なら、題材を動植物にしたりとか出来ますし。」
「あっ、そうか…。」

「友達に薬学部がいるんですけど、さすがに誘いにくいです。」
「そうですか? 植物園ではずいぶん薬草の紹介をしていますけど。」
「あ~、薬草か…。」
「薬草を薬学部の視点で説明してもらえたら面白いかもしれませんね。」

「私、演劇に興味があって、なんて関係ないですよね?」
「さっき演劇部の紹介をしていた橋本裕子さんはうちのメンバーなんだよ、動物園でパフォーマンスを披露してくれる予定になってるけど。」
「えっ、そういう活動も有りなんだ。」

色々な質問、それに軽やかな笑顔で応えていく佐々木、女学生たちの眼差しは徐々に熱くなって行く。
が、どんな質問にも応じられていると、質問の内容も変わってくる。

「私バスケ好きなんですけど。」
「はい。」
「えっと、生かせますか?」
「はは、じゃあ体力はあるってことかな、う~んその体力を生かせる場はいくらでもあると思うけど…。
バスケか…、う~んイベントでシュート合戦とかやって、その時の模範…、ちょっと難しいけどゴリラとかにパスしたら彼らはどうするかって実験…、キリンの…、う~んこれはちょっと無理だな…、チンパンジーにバスケの試合を見せたら、そしてバスケのゴールを飼育スペースに設置、もちろんボールも与えてみる、これはう~ん、田中さんの許可が出ないかな…。」
「す、すいませんでした、ふざけて言ってみただけです。」
「えっ? そうだったの? いや、全然ふざけたことじゃないよ。
こんなことから、新しい発見が生まれたりするからね。」
「は、はい。」

「佐々木先輩のその柔軟な発想ってどこから出てくるのですか?」
「えっ? テーマから想像を膨らませたら普通に出てこないかな。」
「先輩…、凡人の私には無理です。」
「そんなことないと思うけど…、あっ時間の関係もあるからもう少し我々の活動について話をさせてもらっていいかな。」
「は~い。」
「今、具体的に進行してるのはね…。」

学園祭企画などを話す佐々木。
熱心に聞く女学生たち。
入学したばかりで新鮮な気持ちの一年生だけでなく上級生たちも熱い瞳を輝かせている。
終了予定時間となり彼らが学長室へ移動し始めても、その後をついて、質問が出るほどだった。
そこには満足そうな、さよりの笑顔があった。


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
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