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架空サークル-19 [動植物園再生-02]

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彼らの紹介は終わったが他サークルの紹介は続いている。

「お疲れ~。」
「ふ~、緊張した~。」
「帰っていいかな。」
「先輩方、しっかりして下さい、これからが本番なんですから。」
「え~。」
「さよりさん、この後はどこで?」
「ふふ、佐々木先輩は残りの紹介が終わるまで、舞台そでで見ててもらえませんか。」
「ああ、まあ全部が終わるまでは次も始まらないんだよな。」

舞台上は演劇部となる。

「ちょっとそこ~! 舞台そでの男ばっか見てんじゃないよ~!」
舞台上で叫んだのはさよりの親友、橋本裕子。
「ったく、女子大に男連れてくるなんざ、反則でしょ。」
笑いに包まれる場内。
「でも…、私…、あ~、タイプなの佐々木先輩。」
表情も声もがらっと変え、しおらしく振る舞う裕子に場内はどっと沸く。
その後も裕子のペースで盛り上がる会場。

佐々木を巻き込んだ演劇部のサークル紹介が舞台での最後となる。

「裕子、良かったよ。」
「さより~、やってて楽しかったわ~。
どうでした佐々木先輩。」
「急に来るから驚いたよ、でも面白かった、うまいね。」
「有難うございます、でも先輩じゃなかったらあそこまで感情移入できなかったかも。」
「はは、でもあのレベルなら行けそうだ、応援するよ。」
「じゃあ、公園でのパフォーマンス…、もう幾つか台本考えているんですよ。」
「楽しみだね、でも客の年齢層広いからね。」
「はい、それも考えてます。」
「ちょっとここだけの話しなんだけど…。」
裕子に耳打ちする佐々木。
「うわ~、面白そ~、私もスタッフに入れて下さい。」
「了解。」
「この後は? さよりさん。」
「そのまま舞台そでにいて下さい。」
「ああ。」
「じゃ、演劇部は外へ行くから。」
「うん、ありがとうね、裕子。」
「またな。」
「はい。」

裕子を送り出した後、舞台へ上がるさより。
「え~、業務連絡です。
保育園遠足プロジェクトについて詳しく知りたいという方は、西山くんと春山先輩のところへどうぞ~。
再生ボランティアサークルについて質問などある人は佐々木先輩のところへどうぞ~。
入会等に関することは遠藤先輩…。」

このアナウンスにより場内が大きく動くこととなる。
残っていた学生の多さは、さよりの功績が大きい。
彼女は表からも裏からも色々手を回していた。
普通なら、他のサークルから批判があってもおかしくないことが、問題なく進んでいるのも彼女の根回しの成果だ。

遠藤真一は舞台とは反対側で、女学生に取り囲まれていた。

「遠藤先輩、ほんとに気軽な参加も有りなんですか?」
「ええ、もちろん何らかの仕事を担った時に無責任なことでは困りますが、人数を必要とするイベントだけの参加でも構わないです。」
「他の大学の方と知り合えることもあるのですか?」
「もちろんです、大学間の交流ということが我々の大きな目的の一つですから。」
「先輩、彼女はいるんですか?」
「えっ、いやいや、あのね、いないけど、そういう質問じゃなくてね。」
「女性のタイプは?」
「あっ、あのね、真面目なサークルなんだから、関係のない質問は控えてもらえないかな。」
「そうよ、みんな、もっと真面目な質問しなくちゃ。」
「お願いします。」
「で、今度デートしません?」
「えっ?」
「こら~、先輩をもてあそぶな~。」
「あっ、さよりが怒った。」
「先輩汗びっしょり、大丈夫ですか?」
「だめかも。」


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