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架空サークル-02 [動植物園再生-01]

早春の散歩道。
枯れ木色の風景だったところが、少し暖かくなってなって来た頃。

散歩中と思しき二人連れ。
彼らがふと目に止めたのは…。

IMG_2977.JPG

「あっ、綺麗~。」
「ええ、そうですね。」
「え~っと、これは…、ピンクネコヤナギだって、はは、なんかまんまじゃん。」
「はい、確かにピンクだ…、で、ネコヤナギですか…。」
「う~ん、ネーミングとしては…、手を抜いたって感じよね。」
「えっ、植物の名前ってこんなものじゃ…。」
「ひねりがな~い、あのね光一くん、名前を付ける時に一番大切なことは、インパクトなの、それにはひねりが必要不可欠なの。」
「そ、そうかな…、でも分かり易くていいと思うのですが。」
「確かに分かり易さは大切ね…、あっ、そうだ!」
「ど、どうしたんです? 千田さん。」
「のんのん、光一くん、私のことは夏子、もしくはなっちゃんって呼んでって、お願いしたでしょ、光一くんだって佐々木光一さんなんて呼ばれたら堅苦しいでしょ。」
「は、はい…、で、な、なにか思いついたのですか…、な、夏子さんは…。」
「ええ、子どもの頃ね自然観察の会に参加したことがあったの。」
「はい。」
「その時にね、お花に名前を付けようって企画があってね。」
「えっ、大抵の花には、すでに名前が付いていませんか?」
「そう、だから自分なりにニックネームを付けてみようってことだったの。」
「それが自然観察ですか?」
「そうよ、ニックネームを付けようと思ったら、じっくり見るでしょ。」
「あっ、そうですね。」
「それとね…、え~っと、例えばオオイヌノフグリなんて誰が付けたか分かんない名前を教えられても、ぴんとこないでしょ、私はブルースターって名を付けたんだけど…、う~ん、今にして思えば安易なネーミングね、ま、私も幼かったから、でもね今でもオオイヌノフグリを見付けると、あ~ブルースターだって、親しみがわくの、自分なりの名前を付けたことでね、ちゃんと本名も覚えたし、だからさ、ボランテア企画の中に入れたらどうかと思ったの、そうね…、お花に名前を付けようコンテストみたいな感じでね。」
「あっ、良いかもしれません、動物園と比べて植物園は子ども達にとって親しみに欠ける部分がありますから。」
「そうだな~、ちゃんと本名も調べて園内で撮影した写真と一緒に応募、あ~オオイヌノフグリなんてちっちゃいし特別な花じゃないから、誰も応募してくれないかも…。」
「本名が分からなかった植物についてはスタッフサイドで調べてあげても良いのではないですか。」
「そうね…。」
「サンプル的にオオイヌフグリの写真とかも用意すれば、小さな花への関心が高まるかもしれません。」
「そっか。」
「応募はウエブからでもOKにすれば応募し易くなります。」
「さっすが先輩は違うな。」
「い、いや、その…。」
「みんなに提案してみようかな。」
「そ、そうですね…、良いと思います、あっ、そろそろ行きますか?」
「あ~、もうこんな時間か。」


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
タグ:自然観察
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