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ピンク~ [ピッケとおにい 2015]

「ピンク~、あ~、お部屋がグルグルしてる~。」
ピンクの部屋は刺激が強すぎたようだ。
「ちょっと~、しっかりなさいよ~。」
「あ~、お花が咲いてる~。」
「う~ん、これじゃ僕として、役ただずね…、使えないとは思っていたけど、ここまでとはね…。」
だめだこりゃ、のポーズを決める、ピッケ。
「あ~、ちょうちょも飛んでる~。」
「こんな簡単に壊れるなんて…、次はもう少し丈夫そうなのを探さなきゃね。」
ふわっと壁に向かったかと思うと、壁をすり抜けたかの様に…、ピッケは消えてしまった。
もちろん部屋はピンクのままである。
「あ~、ここは天国…?」
こうして見ていると、このおにいも哀れな奴だ。
たかがピンク、されどピンク。
色というのは人間の脳に色々な影響を与える。
真っ赤なドレスを見て、闘牛のごとく興奮し。
静かに澄んだ山奥のせせらぎの青に癒される。
菜の花の黄に心浮かれ。
山の緑に安らぎを得る。
もちろん人それぞれ、そのシチュエーションや、色の具合によって違ってくるのだが…。
が、どうやらおにいの脳とピンクとは相性が良くなかった様だ。
ピンクに染まる前のおにいの部屋、そこにピンクと言える物体は全く存在していなかった。
まあ、全く必要としていない色だったのだろう。
もしかすると、ピンクという色から受ける印象は、男女でとてつもなくかけ離れているのかもしれない。
いや、もしかではない。
う~ん、この世で最も怪しげな色がピンクではないか。
あ~、日常生活の中で縁のなかった色、そして本人にとって全く不似合な色だったことが、この悲劇を招いてしまったということか…。

おにいの冥福を祈る。


花ワールド-hirata
ぷちぎふと工房 コンサルジュ
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