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F組三国志 12-2 [F組三国志 12 舘内亜美]

「淳一、これ、美咲さまから預かってきた、種目の希望リスト。」
「確かにバスケが多いな。」
「ね、ねえ男子のバスケってどんな感じなの淳一さん…、えっと、淳一さんって呼んでも良いよね。」
「ああ構わないけど。」
「はは、亜美ったら黒川くんにすごく積極的じゃない?」
「えっ、それは…、ほら、ちさとからの提案もあったじゃない。
林くんも、美咲さまって呼んでるし。」
「あらっ、徹さんって呼ばないの?」
「はは、淳一はどうなんだ? お前、鈍感じゃないだろ。」
「えっと亜美さんって呼べば良いのかな。」
「できれば、亜美って。」
「うん。」
「亜美ったら…。」
「えっ、え~っと、今まで一緒のチームでやってきて…、優しくてね、淳一さんは…。」
「おいおい、俺たちの前で告ってるようなもんだぞ、その発言。」
「俺も、亜美のこと真面目で明るくて…、いいなって。」
「あらっ、いきなりカップル成立?」
「俺らの前でか? う~ん、淳一に先越されたって気分だな。
「ふふ、徹くんも人気がないわけじゃないからね。」
「ほんと? 加藤さん。」
「それじゃあ、だめね、ちゃんと朋美って呼んでくんなきゃ、クラスの仲間でしょ。」
「おう。」
「ふふ、お二人だけの時間を差し上げたいけど、やることがありますからね。
まずは男子バスケから、ふふ、淳一さん、どう?」
「ああ、そう、えっとね、バスケ部以外で一番うまいのは哲平なんだ。
シュートの成功率が高いのは、お師匠さまと森かな。」
「確かにこの三人は外せない、動き回れて良いパスを出せるのは嶋大地と露木雄斗のあたりか。」
「バスケは勝ちに行きたいから、理由も話せばみんな納得してくれるんじゃないか…、なあ、徹。」
「ああ、俺も淳一もバスケ希望だったから、とりあえず二人は納得ってことだね。」
「はは、じゃあ、バレーは?」
「男子は、まだ、体育でやってないんだよ。」
「みんなの力量が全くわからない。」
「多分、哲平はうまいんだろうけど、バスケと両方はだめだからな。」
「球技大会までって結構クラスの自由になる時間あるのよね?」
「うん、そうだ、勉強ばかりでなまった体をほぐす時間を作ってもらうか?」
「そうね。」
「女子はどう?」
「バスケは纐纈榛がダントツ、やっぱダンスで鍛えてるってことかしら。」
「シュートの成功率では麻里子かな。」
「へ~。」
「ここぞって時の集中力ってことかしら。」
「後は溝口里美とか、でもこの表見るとバスケそんなにうまくない人の希望が多い気もするよね、朋美。」
「だって、バレーって手が痛くなるし、ドッジも当たったら痛いし。」
「はあ~、女子バスケ人気の秘密は痛くないからってことか…。」
「はは、ねえ、斉藤さんってどうなの? 体格いいけどさ。」
「確かにいいけど…。」
「ドッジ向きなんじゃない?」
「そうよね。」
「力あるし、バスケのパスがどこへ飛んでいくか分からないことも多いから、ははドッジならすごい戦力かも。」
「でも本人はバスケ希望なんだよね。」
「徹くんから話せば了承してくれるんじゃないかな。」
「えっ?」
「ふふ、まあ、そういうことよ。」
「う~ん、淳一は亜美さんで、俺は斉藤さんってこと?」
「不満そうね。」
「だってさ…。」
「はは、じゃあバスケのメンバーはみんなにお願いして調整する、バレーの方は、みんなでやってみてからってことでいいかな。」
「ええ、メンバー表は前日までに提出すればいいそうだから、残った人はドッジボールということになるのね。」
「後、俺たちのやることは?」
「作戦を練るか?」
「うん。」
「ねえ、スケジュール確認して応援の調整もしとかない?」
「そうだね、応援でF組の団結をアピールしたいよね。」
「そんなことも含めて、各自考えてきて、明日以降にまた話し合ってことで、どう?」
「了解。」
「じゃあ徹くん行くわよ。」
「行くわよって?」
「お二人のじゃまをする気?」
「あっ、そうか。」
「さあ、斉藤さんのとこでも行く?」
「かんべんしてよ~。」

はは徹くんあせってる。
あっ、っと…、何かどさくさにまぎれて…、さっき、私、なんか大胆なこと口にしちゃったかも…。
あ~、今頃ドキドキしてきた…。

「ね、亜美、ほんとに俺でいいのか?」
「は、はい…、えっと、ごめんなさい…、何か私…、でも前からで…、淳一さんが、美咲さまに気を使ったりしてるの見てたら、何かもっと一緒にって気になってきて…、えっと、その~、テストも終わって…、あたし何言ってんだろ…、あ~、やっぱりご迷惑でしたか…。」
「とんでもない、亜美と一緒に勉強してて楽しかったし。」
「わ、私もです。」
「あ、あのさ、演奏のことなんだけど。」
「はい。」
「みんなの前で演奏するまでに時間が取れたら、合わせておきたいけど、だめなら俺の演奏を録音して渡そうか?」
「は、はい、曲は?」
「サンサーンスの白鳥とかどうかな?」
「わ~、良いですね~、私も好きです…、演奏したことはないけど、知ってる曲なら早く仕上げることができるので…。
淳一さんは普段どこで練習してるのですか?」
「家で…、そうだ、うちに来る? ピアノもあるからさ。」
「行きたい。」
「う~ん、でも女の子一人だけ呼ぶのは、まだはずかしいかな…。」
「誰か誘ってみます。」
「うん、えっと…、楽譜はどうする?」
「帰りに買いに行きます、それぐらいのお金持っていますから。」
「一緒に行こうか。」
「うん、嬉しい。」
「亜美ってさ。」
「なあに?」
「嬉しい時は嬉しいってはっきり言うタイプだよね。」
「へへ、単純なんです、私。」
「いや、亜美の良いところだと思う。」
「そう言って下さる淳一さん、素敵です。」
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