SSブログ

F組三国志 10-6 [F組三国志 10 梶田梨乃]

高山さんは経済の専門用語? を交えて話しをしている。
私には良く分からないことばかりだ。
でも、父さんは、何か嬉しそう。

「ということは、チーム赤澤のみなさんは色々な形で、私の会社に協力して下さるということなんですね、省吾…、うっ、省吾くんなんて気安く呼べないな、えっと省吾さん…。」
「いえ、気軽に省吾、とか呼んで下さい、組織のトップが普通の高校生にへりくだっていてはマイナスになりますから。」
「自分もそう思います、まあ、矢野は省吾さまと呼ぶべきだと思いますけどね。」
「高山~!」
「はは、チーム赤澤が梶田さんの会社と連携できて成功したら大きいと思っています。
厳しい就職状況を抱えている大学生と、不況にあえぐ企業が力を合わせて困難を乗り越えることができたら、学生にとって良い経験となるばかりでなく、就職先が増えることになるでしょうし、梶田さんの会社にとっても、単に会社の危機を乗り切ったということだけでなく、優秀な学生を社員に迎え入れるきっかけとなるかもしれません。」
「う~ん、私もチーム赤澤の一員になりたくなってきたんだけど、どうだろう。」
「あっ、それはいいかも、な、省吾。」
「そうですね…、それで高山さんが動き易くなるのなら有りです。」

ええっ? ってことは父さんが省吾さんがリーダーを務めるグループの一員になるってこと?
それじゃあ、私は…。
う~ん…。

「私も、チーム赤澤の一員にしてもらえませんか。」
「梨乃。」
「父さん、私も勉強するから。」
「うん…、省吾くん、どうかな。」
「そうですね、梨乃さんにはまずF組のチーム正信に入って欲しいですけど…、チーム赤澤、プロジェクト梶田の一員として動いていただきましょうか、ね、高山チーフ。」
「了解、リーダー、梨乃さんのテスト明けくらいから梶田さんの会社を一緒に見させていただいて状況を把握していくということで、梶田さんいかがです?」
「お願いするよ、娘は会社のこと何も知らないからね。」
「省吾、結果は定期的に報告するからな。」
「おっけ~。
で、梶田さん、自分も一度は工場見学とかしたいのですが。」
「もう、大歓迎だよ。」
「えっと、美咲とかも一緒で構いませんか?」
「もちろんだ。」
「それで…、高山さんが調べて色々難しそうだった場合の、奥の手も考えているのですが。」
「えっ? どんな?」
「マスコミの利用です。
難しそうでなくても、梶田さんの判断で実行に移してもいいことなのですが。
厳しい就職状況を抱えている大学生と、不況にあえぐ企業の連携という話題をうまく提供できれば、テレビ局か新聞社が扱ってくれるかもしれません。
そこでの扱いが良ければ、取引先などとの交渉にプラスになると思うのです。
大学生だけでインパクトが弱ければ、それに高校生も協力しているというのも有りです。
クラスの仲間には画家もいますし、もちろん素人ですけどね。
でも会社のイメージアップにつながる何かができると思うのです。」
「マスコミか…、失敗したらかっこ悪いなんて考えている時ではないな。
うん、奥の手としてでなくても、実行可能なことがあるのなら、この際何でもやってみたいよ。
はは、リーダーが高校一年生というだけでも充分インパクトがあると思うけどな。」
「でも…、自分がリーダーという形はあまり取りたくないし、外には出したくないんです。
普通の高校生がリーダーでは、皆さんが低く見られかねませんから。」
「知識は高校生離れ、色々なアイデアを持っていて…、どこが普通の高校生なんだか。」
「いえ、自分は…。」
「省吾の頭の中は美咲ちゃんのことでいっぱいなんだよな。」
「はい。」
「はは、そういうことか、じゃあ今は普通の高校生ということにしておいてあげるよ。」
「お願いします。
あっ、矢野さん、F組が関係するとなると、プロジェクトFにも影響が出てきますから協力お願いしますね。」
「ああ、了解。
プロジェクトFも思わぬ展開になりそうだ。」
「チーフが矢野で大丈夫か?」
「高山、俺はな…。」
「大丈夫ですよ高山さん、サブに早川さんとかも就いてくれてますから。」
「矢野、省吾のリーダー論とかはすごいからな。
赤澤先生やおじさんたちとの討論で鍛え抜かれているから、しっかり勉強させてもらえよ。」
「あ、ああ。」

省吾さん、大学生にも教えてるってこと?
す、すごい、普通の高校生な訳がないわ。
そう言えば須田さん、飛び級制が日本で充実していたら、省吾さんはとっくに大学生だったかも、なんて言ってたわね。
足元にも及ばないけど、私もがんばらなくっちゃ。
まずはテストで結果を出すぞ。
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0